「『愛され女と独身有田』~運命を変える婚活TV~」を見て思ったこと
婚活の秋*1なわけだが、先週「愛され女と独身有田」~運命を変える婚活TV~(月曜日深夜24:59~25:29放送)なんて番組が放送されていた。
普通、婚活を取り上げるTV番組というと婚活パーティなりに参加している人を好奇の目で見るという内容がほとんどである。
この最たる例がオタク婚活におけるタナカ系女子であり、「婚活女子」で画像検索すると大量に出てくる、「当方家事手伝い、相手の年収1,000万円以上望む、レディヘ、椎名林檎好む」みたいなロキノンのバンド募集みたいな女性なわけだが、
この番組はちょっと違っていて、既婚のゲスト女性が伝授する婚活テクニックを披露、それを一般の参加者が婚活パーティーで実践する…という一風変わった構成を取っている。
で、これ、何なのというと「ネット媒体で書かれている『彼氏が今すぐできる5つの方法』みたいな内容を実践したらどうなるか」という深淵なのか深淵じゃないのかよくわからないテーマを取り扱っているのだ。
実際、先週のゲストMALIA.(山本"KID"徳郁の元妻らしい)のアドバイス5箇条*2が、
・肌の露出は厳禁!
・挨拶は魔法の言葉「ヤッホー」
・好き好きオーラを出せ!
・ポジティブあだ名をつけろ!
・家族について尋ねろ!
というもの。これ、どっかの女性媒体に載ってても不思議じゃないっていうか、俺も似たようなようなのいっつも書いてるわっていう(笑)。
ただ、この番組が良心的だなと感じたのは、ちゃんと男性側のコメントを取って、婚活テクニックが有効だったかどうか検証しているところ。
今回の女性がターゲットにしていた怪しげなスキンヘッドスタイリスト(NHK教育の往年の人気番組「それゆけノンタック」のように眼鏡を頭の上にかけていた40男。そればっかり気になってしまった)も、「挨拶は魔法の言葉『ヤッホー』を実践されてどう思ったのか」を大真面目に語っているわけで、なかなかシュールかつ興味深かった。
というか、このシュールさって、すなわち、媒体側自体が内包しているものなんだよね。多分。
もういっそのこと、
「女性媒体で言われているモテテクは本当なのか」に限らず、
「ポーチで江田島平子が書いてるレシピは本当にうまいのか」とか
「リテラの『梶田陽介』氏のドッペルゲンガーは何人いるのか」みたいな
「ネットメディア検証バラエティ」にしてもらった方が(主に一部の人が)面白がれるのではないかと思った。
この番組が同じ構成でどれだけ続くかはわからないが、実際に婚活をしている人には確かに気にはなるよなという。人の婚活を見るのは結構参考になると再確認した次第でございましたとさ。
あ、LINE@のアカウント作りました。
婚活の必勝法試論
はじめに
この原稿は、いろいろあって出すアテがなくなった企画の考え方のエッセンスである。
いわばボツ原稿の断片のようなものだが、個人的な事情もあり、メモとして残しておこうと思う。
婚活市場の構造
婚活をしているとよくあるのは、お見合いパーティで昨日、会った女性と今日、ネット婚活で再会する事だ。当然、メールを送っても反応はない。
特に、地方で婚活をしているとよくおこる。
これはどういう事なのだろうか。
話をおもいっきり簡単にするために、私の故郷、地獄こと岐阜の婚活市場について考えてみよう。
岐阜在住の婚活に対してアクティブに活動している婚活人口が100人だとする。
男女は50人ずつだ。この50人のうち、25人がお見合いパーティに参加、残りの25人がネット婚活に登録しているとする。それぞれ25人中、10人がお見合いパーティとネット婚活の両方に登録している。冒頭の女性はこの10人にあたるわけだ。
で、100人のほとんどが数か月から1年程度で「婚活に成功する」か「婚活を諦める」のどちらかで人が入れ替わる。
このうち50人にアクセスするのと、25人にしかアクセスしないのとでは、どちらが婚活成功の確率が高いだろうか。言うまでもなく、50人にアクセスする場合だろう。
つまり、婚活ビジネスの本質はデータベースを提供することなのだ。
恐らく、ここを多くの人が誤解している。
「自己の市場価値を上げ続ければいつかその市場価値に見合った相手とマッチングできる」というのは幻想にすぎず、「いかに効率的に婚活市場にアクセスし、多くのお相手と会うか」が婚活をする人にとってもっとも重要なことになる。
婚活市場へのアクセス方法
ところで、岐阜で婚活している異性全員にアクセスするには最低条件としてお見合いパーティとネット婚活、両方のサービスに登録する必要がある。
もちろん、ネット婚活や、お見合いパーティも多くのサービスがある。
岐阜の婚活市場のネット婚活利用者のうち、10人がエキサイト、10人がヤフー、5人がマッチドットコムといった具合に。
ということは、なるべく多くのサービスを並行して利用した方が良いという結論になる。
だが、並行利用といっても、お相手とやり取りしたり面接をセッティングしたりするコストを勘案すると限界があり、自分の体感値になるが、婚活で並行して使えるのは2~3サービス、それも別々のサービス形態だろう。
つまり、ネット婚活で1つ、お見合いパーティで1つ、結婚相談所で1つの計3つといった具合だ。それ以上になるととてもじゃないが手間がかかりすぎてしまうのだ。
結論:婚活の必勝法
結論に近づいてきた。
各々のサービスに登録している人数が限られている以上、そのもっとも効率的な使い方は、
1:入会後、短期間のうちになるべく多くの異性に連絡を取る
2:うまくいかなければ退会し、別のサービスを使う
3:データベースが入れ替わったころに再登録する*1
という事になる。お見合いパーティのように飛び入り参加の割合が高いサービスもあるが、基本は変わらないのと、飛び入り参加の割合が高いサービスほど婚活への本気度が下がる傾向にあるところは見逃せないところだ。
身も蓋もないが、恐らく「短期・分散投資」が婚活の必勝法の骨格だ。
そして、これは「長期・集中投資」を基本とする婚活サービス提供側の利益と真っ向から対立することになる。
*1:再登録は必ずしもやる必要はない。以前使ったサービスが気に入っている時のみ
「幽霊」はなぜ書き続けるのか?―ライターに仕事を頼む人にこそ読んでほしい「ゴーストライター論」―
先日友人に勧められた本について感想がてらにメモ。
本書は、佐村河内守氏のゴーストライター疑惑についてスクープを飛ばしたという人物によるゴーストライター論である。
といってもこの本では蒼天航路の陳宮こと新垣隆氏の話は序盤でさらっと触れられた程度で、実質的には出版界におけるゴーストライティング(本書の呼び名で言うならチームライティング)の仕事についての記述がほとんど。
そして、その中身が抜群に面白いのだ。
IT企業社長の著作(ホリエモン?)や、2013年に講談社+α新書で発売された「新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由」や、ピアニスト辻井伸行の母親の著作、矢沢永吉の『成りあがり』などなど、豊富な事例をもとに、ゴーストライティングとは何か、という事について詳細に記述がなされていく。
みな、薄々勘付いているとおり、世にあまたあるタレント本やビジネス書の類がみな「著者自身が書いた」わけはなく、その背後には取材・構成を担当したライターたちがいる。本書はそんなゴーストライティングの世界について書いた本なので、ライター志望の方や、今ライターをしている人にとっては非常に面白く読める本なのではないだろうか。
だが、問題は本書の帯にある通り『「幽霊」はなぜ書き続けるのか?』ということなのだ。本書において、「幽霊が書き続ける理由」について明確に書かれていた。それによると、
・他人の主観(人格)になり替わって文章を書く楽しみ
・著者(取材対象者)本人すら自覚していない人格を掘り起こせること
にあるのだという。
もちろん、こうした作業を経て作品が大ヒット、時代を象徴するような本になれば言うまでもない(その例として挙げられていたのが『成り上がり』である)。
だが、この部分は読んでいて、かなりハッとさせられた。
自分も記名・無記名でいろいろな記事を書いてきたし、「なんでこんな仕事つづけてんの(意訳)」と聞かれたことも一度や二度ではない。
で、自分が記事を書く理由としてはいろいろとあるのだが、これはかなり簡潔・かつ的確にまとまっているように感じた。確かに自分に問いかけてみてもかなり納得感がある。だからこそ自分は、「ゴーストライター時代」になり、ライターに接する機会のある人は今後増えていくであろう、普段ライターに仕事を頼むような人にこそ、一度読んでみてほしいと思う。そして、どう思うか聞いてみたい。
成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)
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『AERA』が嫌婚特集を組んだ理由を邪推する
『AERA』の嫌婚特集を読みました。
日本代表DFへのネガキャンとしか思えない表紙…。
ご存じの方も多いかと思いますが、婚活という言葉が初めて登場したのが『AERA』だったので、このあたり非常に感慨深いものがあります。
内容としてはいつも通りの内容で、いつも通りの識者がいつも通りの結論を述べている感じで非常に安定感がありました。
個人的に面白かったのは恐らく仮想敵であろう高スペック男子の座談会にて、
「自分でケーキを焼く」みたいなことを言っている参加者が、キッチンの水回りの汚れがどうとか言ってたんですが、とっとと自分で掃除しろよと。
この一文を読み、大変ほっこりとした気分になり、自分の中での「独身で料理が趣味とかいう男は要注意」説がより強まりました。
で。
『AERA』が嫌婚特集を組んだ理由みたいなもの
『AERA』っつったら 婚活の生みの親、母なる大地なわけですが、
なんで嫌婚特集を組んだんでしょうか。
ま、それこそ「いつも通りの内容で、いつも通りの識者がいつも通りの結論を述べている」という一言に象徴されるように、読者層が入れ替わらず読者の年齢だけが上がっていくという、「ここんとこずっとOasis、Radiohead、Nirvanaが表紙なロキノン問題」がこの「雑誌界のサンデーモーニング」こと『AERA』でも進行中なのではないか、などと思うわけですが、
邪推するに、自分たちが婚活市場で全然見向きがされないっていうことに気が付いてしまったからではないんでしょうか。
実は、婚活業界というのは、人材業界に非常によく似ています。
例えば…
◎新卒市場と転職市場がある:婚活も、新卒市場(大学で知り合った相手と社会人数年で結婚する市場)と転職市場(30代ぐらいで結婚相手を探す市場)があります。
◎年齢が非常に重要:両方とも35~40過ぎると一気にニーズがなくなる
◎設定されているサービスがほぼ同じ:求人広告(=婚活サイト)、エージェント(=結婚相談所)、コネ・人脈(=お見合い)、合同就職フェア(=街コン)
◎入社するまでわからない:婚活も結婚するまでわからない。結婚してすぐ離婚する人もいる
ということは、婚活業界も人材業界と同じく「双方のニーズ」が非常に重要になるわけです。
ところで、人は婚活をどうしてするのでしょうか。
自分が未婚・既婚含めていろんな人に話を聞いた結果、次の3つに分類できると思います。
★「キャリア総取り」の一環として:「仕事・家・家族」というキャリア総取りのために結婚したいという層。「親のために」とかいう人や「家族がいて一人前」みたいな動機の人が多い。総じて他人の目を気にするタイプです。
★「転職」の一環として:「結婚は永久就職」なんて言葉も昔はありましたが、実は結婚は転職の一種という側面もあります。「自分のキャリアプランのため」「結婚して全く別の生活をしたい」「現状打破のため」なんて動機の人。たまに「結婚して縁もゆかりもない土地に引っ越しました」とか「結婚して会社辞めました」なんて人がいますが、そういうタイプです。婚活をする人の中では実は一番多いと自分は思っています。
★「セーフティネット」の一環として:結婚して安定した生活がしたいという層。片方が専業主婦(夫)というだけではなく、両方派遣社員で一人では生活が苦しいからというような人も含まれ、近年ニーズが高まっているように感じています。
両方のニーズが合致した場合、結婚に向けて歩みだすわけです。
で、『AERA』の読者層というのは当然ながら一番上の「キャリア総取り」の一環として婚活を志向していました。そもそも婚活の初期というのはキャリア総取りのためにデキる女*1が結婚を目指して奔走するというのが定番なストーリーだったわけです。
でも、婚活がメジャーになるにつれ、それ以外の理由で参入する普通の人が増えて来ました。で、残念ながら男性で「キャリア総取り」を目指してくる人ってそもそも数が少ないし、いたとしてもロクなもんじゃないんですよね。
以前マイナビウーマンさんで記事にした人もそうなんですが、
年収7000万だけどロクなもんじゃないなっていう。
その理由は言うまでもなく、男性で「キャリア総取り」を狙うようなハイスペックな男性はとっくに結婚しているか、もしくは婚活する必要がないくらいにはモテるから。
つまり、『AERA』を読んでるようなハイスペック女性(もしかしたら30代の印刷会社事務の派遣社員とかも読んでるかもしれんけど)の眼鏡にかなうような男性は婚活市場には数が少ないし、彼女らをターゲットとするような男性もいない。
そもそもニーズが極端に少ないわけだから、成功する可能性だって低い。婚活疲れだ、嫌婚だ、とつまりこういうわけ。
『AERA』が嫌婚特集を始めた理由。
それはつまり、自分たちが生み出した婚活にとって、自分たちはもう必要とされていないということに気が付いたからなのではないのでしょうか。
最後に、『AERA』はいまだにリケジョ連載とかしてて、大丈夫なのかと思いました。
*1:あくまでも自己評価ですよ
クラウドソーシングがクソな理由2
こんな記事が出ていた。
アメーバ、ママ向けクラウドソーシングサービス「mama&crowdベータ版」スタート:MarkeZine(マーケジン)
以前、こんな記事を書いたのだが、なんだかんだでよく見られているっぽいのでその続きを書こうと思う。
500円で婚活記事を依頼してきた人
クラウドソーシングであまりいい思い出がない。
使い始めた最初のころに試しで応募したある案件(当然ながらそれも単価300円であった)では「実績のないやつは応募してくるな」と言われたり*1、1本100円で記事書けとか言われたり。
で、極めつけが表題の依頼をしてきた人物である。1本500円で婚活記事書けという本当に心が躍る依頼であった。
見積もり依頼をされたので、返信したらそれ以来、返信はこなかった。
あまりに心が躍ったのでその依頼文はスクリーンショットに保存し、たまに見返している。まさに終わりなき悲しみである。
当時はイラつきしかなかったわけだが、よくよく考えると多少趣が異なっている。
そもそも原稿料とは何に対してのものなのか
最近思うのだが、もうライターという職種はなくなってしまうのかもしれない。
いわゆる「100円ライター」の仕事が成り立つということは、そこに需要と供給が発生しているわけだ。
単価500円でどんなライティング仕事でも頼める(と思っている)ということは要するに、それで仕事を受ける人間がいる、ということを示している。
では、そうした記事と「文字の羅列」という意味では同じの、いわゆる「まっとうなメディア」に載る記事の違いとは一体なんだろうか。
これは自分も含めてだが、いわゆるwebライターという職種はすでにライターといいながら企画を立てて、媒体に持ち込み、取材(取材手配含む)取材の際にはカメラで撮影まで行う。、進行管理、改行の頻度、キャッチの付け方を工夫したうえで原稿が出来上がった後はWodpressで入稿する。
つまり、ライティングという業務の意味合いがどんどん拡張されており、その中でもこうした広義のディレクション能力の比重がどんどん高まっているのではないだろうか*2。
こうした仕事と「誰でもできる」「在宅でも勤務可!=取材しない」的な仕事との距離は今後はどんどん広がっていく。
だが、こうしたスキルが、果たしてクラウドソーシングで身につくのだろうか。
IT業界化するライター業界
自分が言いたいのは、要するにライターという「記事を作る」同じスキルを持っている人たちの中で、ディレクター色の強いライター(よくライターが対談に出てくるときに使われる謎の肩書「編集・ライター」みたいなもんだ)とライティングメインのライターという2分化がすでに始まっており、クラウドソーシングの隆盛はその時流に乗っている、ということだ。
これはあたかも、プログラマー、システムエンジニア、プロジェクトリーダーとか、フロントエンドエンジニア、うんちゃらエンジニアみたいな感じで職能やスキルで細かく細分化されるエンジニア業界のようなものだ。
同様にライターという業界自体がIT業界のように、出版社や大手ポータルサイトを頂点とするピラミッド型に垂直統合がより強化される過程、ということになる。
そして、個々のライターに対してはより上流工程の業務により高い対価が支払われる。
これはきわめて当たり前のことである。
だが、ここで問題となるのは、クラウドソーシングを続けることで「今は100円ライターでも、そのうちディレクション業務メインのライターにシフトチェンジできる」というキャリアプランを築けるか、ということなのだ。多くのクラウドソーシング擁護派の意見では、ここが適当に処理され、なんだかステップアップできる前提になっているのだが、これは本当なのだろうか。
恐らくこれは「あなたは日々更新されるクソアフィリエイトブログ(クソバイラルメディア)のクソ記事をだれが書いているのか気にして生きているのか」という問いによってわかるだろう。
つまり、クラウドソーシングが罪なのは単価が安いこと以上にキャリアプランができない工程業務を続けさせる、そしてその構造を固定化させることにあるのではないのだろうか。
はちま起稿 月間1億2000万回読まれるまとめブロガーの素顔とノウハウ
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「婚活」が終わる日
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「婚活」をするための条件
突然だが、婚活を積極的に行うため*1には2つの条件がある。
1:自分の周りで適当な付き合えそうな(結婚できそうな)人がいない
2:少なくともいつかは結婚したいと考えている
あまりにも当然といえば当然だが、この2つの条件を満たした人がある程度いることが、婚活という市場が成立しつづけるために必要な理由となる。
で、1について考えてみると、これは要するに「ある程度年齢が経って周りの人たちがみんな結婚してしまった」「異性が極端に少ない環境に長くいた」「そもそも友人・知人が少ない」といったあたりが原因となる。
ある程度社会経験を積むことで人は「どうやら自分は周りに適当な人がいない」状態にあるということを認識するわけだが、ここで問題となるのが、婚活という活動は早く始めれば始めるほど有利、ということだ。「20代から50代の男性が全員20代女性に向かう問題」とかここではいろいろ問題があるが、それはとりあえずおいておく。
ここで問題となるのが「『婚活を始めなければならない』ことに気が付いた時には自分の市場価値が落ち始めている」ということだ。
これは婚活という活動が持つ根本的な矛盾で、婚活における高望み問題も、普通問題も、シンデレラ問題も根本はこの問題に端を発している。
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婚活の攻略法
だが、ここまで読んだ人はこう思うのではないだろうか。
「だったら、早く婚活始めればいいじゃん」と。
大学から付き合ってる彼氏と結婚する。
入社後早い段階で会社の同期(先輩)と結婚する。
これらにはもちろん、離婚のリスクや自身のキャリア形成におけるリスクもあるが、短期的な「結婚」という視点で見れば勝ち組である。
また、もう一方で根本解決として、そもそも結婚しないという選択肢もある。
(今のところ)我々は結婚を強要される環境にはないので、これはこれで選択肢としては「アリ」だろう。
結婚することが普通とみなされる社会においてこの選択をすることはなかなかにハードルが高いものだが、婚活ブームによって「努力しないと結婚できない」という考えが定着した分、そこから「降りる」という選択肢も簡単になった。
どちらにせよ、「婚活の最強の攻略法は婚活しないことだ」
ということに多くの人たちが気が付き始めている。それが今の状況だろう。
現に、国立社会保障・人口問題研究所の「結婚と出産に関する全国調査(2010年)」によれば、結婚について「ある程度の年齢までに結婚しよう」という人が過半数を回復し、「結婚に対する先延ばし意識が薄ら」いでいるという*2。
だが、これらの根本的な解決法を実践できるのはこれから婚活を始める人たちである。
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さよならロストジェネレーション
問題は、今婚活している人たちだ。
彼らは、人的リソースがなく、自分の市場価値が下落していく中で「結婚するのが普通だ」という価値観を刷り込まれているため「婚活」をやめることができない。
そして、彼らはいわゆる「ロストジェネレーション世代」である。
「婚活」という言葉が生まれた初期に『AERA』などで想定されていたのはキャリア女性による「仕事・子供・恋愛」の「キャリア総取り」の一環であった。だが、実際に婚活市場を支えたのは彼らロストジェネレーション世代であった。
ロスジェネ世代の先頭がすでに40代にさしかかりつつある現在、彼らが婚活市場に占める割合は今後どんどん減っていくだろう。
そして、今若い人たちが婚活を必要としなくなる。そうなることで婚活はどう変化していくのだろうか。「見知らぬ人と出会うツール」として姿を変えて生き残るのか、婚活市場自体が縮小していくのか。
「若者の婚活離れ」がマスコミに登場する時、それはロストジェネレーション問題が「なかったもの」として「最終解決」された時なのかもしれない。
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童貞騎士と名誉女性戦略の失敗
- 童貞騎士とは何か
最近「女性を尊重しているのに女性からモテない」的な話が何度目かのブームを迎えているようだ。
自分としてはこれはフェミニズムとか学校教育といったそこまで大きな話ではなく、基本的に童貞騎士問題のように思える。恐らく、ここで登場する人たちは「女性に裏切られた」「女はやっぱりクズばっか」という情念をもつ童貞暗黒騎士(ダークナイト。成宮寛貴ではない。)ではないだろうか*1。
童貞暗黒騎士とは、童貞騎士が転生した存在である。
その前に童貞騎士とはなにか。
- 名誉女性という戦略
名誉女性とはなにか。それは「女性に対して理解があるように振る舞うことで女性からの評価を上げようとする」戦略の事を指す。
例えば、テレビのおネェタレントやリベラル派の論客、サブカルジゴロなどがその最たるものなのだが、
その昔、あなたの周りにもいなかっただろうか。
男で少女マンガ読んでるとか、女性誌読んでるとかわざわざ言ってる人間が*2。
彼らが取っているのが、名誉女性戦略である。
こうして並べてみると、童貞騎士と名誉女性というのは非常に親和性が高い。
「女性に対して優しい」のと「女性に対して理解がある(かのように振る舞う)」ことは同時採用可能な戦略であり、かつ親和性が高い。
だが、ここで問題になるのが、当たり前だが、名誉女性戦略を採用したとしても評価される人間とされない人間がいる、という事実である。
この事実は、童貞騎士を女性すべてを憎む童貞暗黒騎士に転生させるのに十分なほど残酷だ。
つまり、フェミニズムや学校教育を信じていたのに裏切られたことなどではなく、
「極めて身近に上手くいってるやつがいるのに自分が上手くいかない」
「(DQNカップルのような人たちではない)知的な女性であってもホイホイ名誉女性と付き合ってる」
ことが童貞騎士を暗黒面に堕とすのではないだろうか。
学校教育を改めることなどできない。ましてや、全ての童貞騎士を「モテ」ることで救済することなど不可能である。
では、どのように彼らを軟着陸させるべきなのか。それこそが必要なのではないだろうか。
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