今日の読書
- 作者: 魯迅,稲畑耕一郎,駒田信二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/05/08
- メディア: 文庫
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阿Q正伝です。なんだか急に読みたくなって*1、ご紹介いただいた青空文庫で読んだんですが、いや〜面白かった。
阿QこそCクラスだった。非モテだった。D.T.だった。
以前、魯迅は全集かなんかで読んだんだけど、何かっていうと封建制が悪いみたいな事を言い出すから、あんまり好きではなかったんですけよ。
でも、違いましたね。己の心を腐らせつつ、満座の罵倒と嘲笑を受けながら生きるというCとしての原罪を目を背けたくなるほど思い知った今となっては阿Qは最強のCクラスだった。
なんだろう、皆にバカにされルサンチマンを溜め込みながらも、己よりも下の人間を探し出しバカにする卑しい心根、バカにされればされるほど強化されていく己の妄想、酒と妄想で己をごまかす術、その全てがCクラスのものだった。ライトノベルとか読んでる暇があったらこれを読むべき。ま、「癒して〜」と言いながら自分のところに転がり込んでくる、心に傷を負った美少女とかは一切出てこないけど。
採点*2
サブカル度…1(読んでも女にはモテない。間違いない)
D.T.度…4(全D.T.読むべし)
大きな物語度…3(みんな戦争が悪いと解釈したければどうぞ)
オタク度…2(心に傷を負った美少女は出てきません。)
総評*3
シルバー殿堂入り
これがただで読めるなんていい世の中になったものです。
次回は、岩波書店版・西遊記の予定。