古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

ヒヒヒの非太郎〜非太郎危機一発!〜

〜この番組は「楽しい時を創る企業」バンダイの提供でお送りします〜

(オープニング。くどくなってきたので省略)

今日の非太郎は会社の研修会場にいた。今日は泊りがけで研修だ。

研修会場まで、もちろん非太郎は己のウォークマン*1を爆音で聞いていた。スミス、New Order、Oasis、ラジオ頭…非モテとして全くもって正しい選曲だ。時々、中島美嘉がかかる事以外は。
研修会場に一歩入ると、早速というか、やっぱりというか、頭の非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)が反応している。どうやら近くに妖怪がいるらしい。


「非太郎!あれは、「あらゆる問題を解決することができ、誰にでも獲得可能であるとされる究極の能力」といわれている「コミュニケーション能力」を持ち、それを持たない人間をあらゆる方法で貶めようとする妖怪、戦闘妖怪・コミュニケーション猛者じゃ!」

「なんだって、父さん!それなら私は真っ先に標的になるということですか!」

なるほど、研修会場はあらゆる方法で己が他人より優れている、俺のほうが偉いというコミュニケーション猛者達がそろう、さながらサザンクロスシティのような場所であった。
そしてコミュニケーション猛者達がサザンクロスシティに集められた目的は「コミュニケーション能力の向上」であった・・・。

未曾有の危機に、どうなる、非太郎!

(CM。)


北斗の拳の雑魚(声:千葉繁)のような気分でいつ「ひでぶ」になるのか待つ非太郎。

「私はクズどもの相手はしないわ!」とばかりに、Cクラスをシカト&潰しにかかる猛者、関西弁でとにかく「俺は面白い!」と言うことを言い続ける猛者、和田サンのような風体で「俺はいかに有能か」を演説している猛者、クールを装いながら、Cクラスの人間を潰し、なおかつ女への媚びたトークは決して忘れない猛者。そして死刑台に送られるのを待つばかりの羊達。


非太郎は、これこそ会社なのだな、これが「素晴らしい人々」なのだな、と思った。


「非太郎!弱いものは徹底的に叩き潰す、それがサザンクロスシティの掟じゃ!とにかく、耐えるんじゃ!!」
「わかったよ、父さん」


そんな時、どこからともなくハンドアックスが飛んできた。コミュニケーション猛者たちはコミュニケーションに夢中で気づかない。非太郎だけがハンドアックスが飛んできた方を見ると、ハンドアックスを投げつけた男の後姿だけが見えた。彼のモヒカン頭だけが…そして、彼は「この世界はネットお宅が支配する修羅場なんだぜぇ。平民は消毒だぁぁ」と叫んだような気が、非太郎には、した。


帰りの電車の中で脳内の目玉の親父が言う。


「非太郎、コミュニケーション能力と世間で言われていることは実質他人を貶める事なのかのう。」
「ええ、父さん。本来、コミュニケーション能力というのは、異文化コミュニケーション力とでも言えるものだったんですがね。現実世界でのコミュニケーション猛者というのは実質、「声の大きい人間」なんでしょうね。」


「そのとおりじゃ、非太郎。コミュニケーションというのは双方向のもののはずなのじゃがな。彼等に共通しているのは声の小さい人間、Cクラスに対しては何を言ってもいいというAクラス特有の驕りじゃな。」
「はい、父さん。それが彼等の言う「コミュニケーション能力」の正体なのですね。しかし、そういった人間を評価しようという態度がありありと企業側に見えますからね。問題は彼等コミュニケーション猛者ではなく、そういう人間を「優秀な人材」だとする人々なのですね。」


「うむ。大体、コミュニケーションスキルなんてものは後天的努力で何とかできるものなのかなのう、もしも、努力でなんともならないものだったら、コミュニケーションスキルの重視など差別以外の何者でもないと思うがのう。」
「ええ、父さん。どうすれば良いのですかね。ところで父さん、今日はツタヤが半額レンタルらしいですよ。」


「そうか、非太郎。だから渋谷に向かっているのじゃな。わしも今日は久しぶりに中島京子が借りたいわい。」
「ええ、父さん。あのあえぎ声は非モテにとってはたまらないですね。いい若奥様もののDVDが準新作になっているようですから、急いでいきましょう。」


(次回予告・通子の青春〜サークルクラッシャー物語〜)

※この番組はフィクションです。実在する団体、名称等とは一切関係ありません。

*1:i-Podでないことに注目