古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

白童貞×黒童貞×青童貞×赤童貞

童貞にもいろんな種類がいるというお話。
例えば、身近にいい感じの女性がいるとします。小西真奈美みたいな。もしくは、UKプロジェクトのバンドとかが好きなような、もしくは伊坂幸太郎とか愛読してるような。これは全て私の中の妄想なんですが、ともかく!いい感じの女性がいて、彼女に対してどう行動するか、ということで童貞としてのジョブが決まります。


・恥ずかしくて話しかけることもできず、ひたすら彼女との妄想に励むならば白童貞
・童貞っぽいわっしょいなソリューション(例:彼女の机の下に消しゴムを転がす)で繋がりと作ろうとするのが黒童貞


ここでいう白/黒というのは別に善悪はありません。FFの魔法使いみたいな感じです。
この区別というのは目の前に「女性」という機会が現れたときにどうするか、妄想するか/行動するかによって分岐してくるわけです。

  • 白童貞とダーガー

白童貞というのは己の妄想力を強化する方向に向います。とにかく女性に優しく接してしまうような「いい人」、いわゆる、童貞騎士というのも白童貞からのクラスチェンジな訳です。後は非モテタモリ倶楽部派というようなソリューションや、いわゆる(本来的な意味での)「喪」という人々、本田透の主張も(受け取った人間がどう行動したかはともかく)脳内オナニーシステムの完成=妄想力の強化という意味では白童貞的であるといえるでしょう。
白童貞の最高の到達点、それはやはりヘンリー・ダーガーでしょう。リアルの生活ではかれは皿洗いや掃除婦として生活していました。そしてだれからも知られることなく自分のためだけの妄想を書き続けた!彼のような日常では石ころのように誰からも目たずひっそりと暮らし、己の妄想だけを糧に生き続けるというのは、簡単な様で恐ろしく難しい事だと思います。特に今のような生まれたときから自意識を膨張させてきたような世の中で生きている私たちにとっては。
自分の生きる世界を全て諦めて妄想の世界に生きる白童貞は他人に迷惑をかける可能性は低いが、それこそにっちもさっちもいかずに発狂してしまうような可能性を持っていると言えるでしょう。つまり、ダーガーのように生きられるか?というこの問いは全ての白童貞に突きつけられた問いでもあるわけです。

一方で、黒童貞というのは、現実でのランクアップを狙っていきます。例えば脱オタクというようなソリューションもそうですし、映画「ポーキーズ」のような「モテたい!」という童貞汁がほとばしることになります。この童貞汁による悲劇・醜態・笑いはもう皆さんもご存知のはずです。枚挙にいとまがありません。サークラ、サークル内での差異化ゲーム、映画「グローイングアップ」…これら文化系コミュニティで起こるイベントのほぼ全てが童貞汁によって引き起こされるといっても過言ではありません。
そして、黒童貞の思想は発展すると、「世界を自分に適した形に作り変えよう」という発想にいたります。そして、これはオウム真理教みたいなものに地続きだといえるでしょう。
もっとも、オウムみたいな大規模な形をとらなくても、「世界を自分に適した形に作り変える」事は可能です。つまり、岡田斗司夫大槻ケンヂのように。オタクが知的エリートだとか、バンドさえやりゃゴスロリ不思議ちゃんと付き合えるぜ!というのはまさしく黒童貞の政治的アピールだといえます。ただ、この問題点として結局救われるのが本人を含めとても少ないというところです。無数の黒童貞の屍の上にいるんですから、それなりのリスクと戦いが黒童貞達の前には待ち受けているでしょう。

  • 青童貞という新種[ブクマコメント欄を受けて追加しました]

さて、今まで童貞界で発見されていたのがこの2種類なんですが、もう一つ変わった新種が最近発見されています。それは青童貞。これは女性に対しての態度というわけではないのですが、自分にやられたことをそのまま相手にもやり返す*1という童貞。つまり、ただ自分の溜め込んだルサンチマンの発散方法として「童貞」というカテゴリーを利用している、そんな人々です。例えば、いわゆる「脱オタ説教房」だとか、非モ帝国主義者の方々だったりします。ここではすでに女性云々という観点は抜け落ちています。

こうして書いてみると白童貞も黒童貞もそれなりに厳しそうだというのがわかりますね。まさに童貞の道程は茨の道といったところでしょうか。大体は、白童貞の道も黒童貞の道も極めきれないのではないかと思うのですが、そんな時に私が思うのは両者をハイブリッドした赤童貞というのがあってもいいんじゃないかと思うわけです。妄想力をフル活用しながら、現実では世界を変えるとはいかなくても何とか居場所の確保と自分の(相対的に)勝負のできるフィールドを探すという。そして、赤童貞という選択肢をかなり意識して選んでいるのが伊集院光なのではないかと。現実と妄想を上手くハイブリッドしながら適当にだらだらする。その価値をもう少し見直したほうがいいのではないかなと思うわけです。

*1:レベル5デスみたいな