古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

亀田興毅選手が僕達の胸を熱くさせてくれるわけ

http://column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/main/2006/08/03_054106.html


切り込み隊長の話というのはまぁ、みんなが見ないようにしてきたところですよね。そしてその片棒を「世間の良識と正義を代表する」テレビメディアが担いできたというあいもかわらずの事実が再度確認されたという意味では非常に素晴らしいことですね(ライブドアとかの話を思い出してください。あの後にこういうことが起こったということが本当に素晴らしい) 。
さて、私がこれからしようと思ってるのは、もっとつまらない、しょうもない話です。
あの亀田3兄弟がブラウン管に映ると私はいつも殺意を覚えます。その殺意はどこからやってくるのか、という話。


改めて言うことでもないですが、亀田3兄弟というのはDQNです。キャラ売りとしてもDQNだし、まぁナチュラルボーDQNなんでしょう。で、その消費のされ方というのは、いわゆる大家族モノであり、警察24時であり、(本当の意味での)目撃DQNである訳。で、彼の日常生活というものに一旦思いを馳せてみると、彼のクラスにもし、「涼宮ハルヒの憂鬱」を愛読している人がいたら、亀田興毅選手はどうするんでしょうか。もし私のクラスに、会社に、亀田興毅選手がいたら彼はどういう態度を私にとるのか。それを考えると憂鬱な気分になります。
しかし、なぜか彼は「素晴らしい」ことになっている。親子/家族のあり方として、アスリートとして、人間として。

阪神SD 星野仙一*1
「あの親父に興味がある。息子が1人だけじゃなく兄弟全員をあれだけ鍛え上げているのがすごいなあ」と熱視線。「野球界にもああいう人材が欲しいよ。亀田はヒーローでありヒール。今はアンチ巨人がいなくなって、ヒールもおらん」と球界になぞらえていた。

環境大臣 小池百合子
亀田興毅君、世界チャンピオンおめでとう! 試合中は、も〜、ハラハラドキドキしっ放し。声援をおくり続けて、ノドがかれましたよ。最初、守りの方が、ちょっと調子悪かったみたいね。今回はKOできなかったので、次はぜひともKO勝ちしてくださいね。

和田アキ子
1ラウンドでダウンしながら最後まで戦ったのは立派。この結果で彼はいろんな意味で強くなる。


ダウンしながら12回までよく戦った。判定についてはよく分からないけど、世界のすごさは分かったと思うし、今回のことで精神的にも強くなれるはず。次はKOで勝つことを期待している


なぜこのような無法が許されるのでしょうか。


亀田興毅選手を巡る一連の騒動というのは、多分、伝統的な世間と(お望みなら)Web2.0的な世間との対立なのではないのでしょうか。
伝統的な世間というのには、DQN層、いわゆる「老人」たち、サッチーや和田アキ子、星野仙一といった、いわゆる「人間力」的なものを重視している人々。
一方で、ウェブ2.0的な世間の人々、これは2ちゃんやブログ界によくいるようなタイプの人々。これは社会の欺瞞に敏感で、DQNほどバカではないが成功はしていないし、今後もできないような人々。いわゆる非モテだとか、オタクだとか、ニートだとかいわれている人々です。「若者」というフェーズで見た時に、恐らく「老人」や人間力的な人々はどれだけ笛を吹いても彼らに反抗的な層というのがいることを知って愕然しているんだろう。そういうWeb2.0の若者達に比べれば単純なだけ簡単に踊ってくれるDQN達の方がどれだけ御しやすいか。恐らくそういったことなんでしょうね。

リアルのリソースをおおく持つ、前者に対して、数はおおいが、リソースの配分にあずかれない後者。この両者の対立っていうのは、結構今後のアングルの基軸になっていくんじゃないかなあ、と思います。
そういったWeb2.0的な世間に住む若者が住んでいる世界というのは案外こんなような世界なんだよなぁ。

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

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理不尽な命令や無能な上官がまかり通りまくって最悪な状況の中、さぁ、どうする?みたいな。
もちろん、私たちが生きているのは擬似的な戦場であるので、理不尽な命令や無能な上官はひたすらにい続ける。そこに。それでも何とかできるような人間であればよいんですが…。なんともできず討ち死にする人間も数多くいます。一方で、たまたま景気がよい時に生まれた、たまたま、よい家柄に生まれたそれだけで全く弾の当たらない人間もいる。そして自らのこれまでのDQN的悪行を全て帳消しにされ「素晴らしく」のうのうと生きている人間がいる。


そういった人間に対して何ができるんでしょうか。
せいぜい、亀田興毅選手が教えてくれた事を胸に日々生きていくしかないのでしょうか。
そうするしかないのか、そうなのか。

*1:まさか、この人をこういう形で取り上げることになるとは…本当に残念です