古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

げんしけん(現代思想文化研究会)


(かなりの長文になっております。申し訳ございません)
椎応大学にあるサークル、「現代思想文化研究会の略称『現思研』」。この漫画は、これら文化系サブカルチャー全てを対象とする総合的サークルとして発足したもののサークルとしては半ば休止状態だった現思研が、新入生たちの入会によって少しずつ活気を見せていくその過程を描いたもの。

ここでいう現代思想文化とは、音楽、思想、漫画、AMラジオ、アニメ、小説、ライトノベル、コンピュータゲーム、そしてそれらを元にしたコスプレ、同人誌二次創作など、1990年代から先の文化系サブカルチャー全般を指す。


登場人物

本作品の主人公。現思研に入るまで誰にも文化系趣味を言えず隠し通していた、いわゆる大学デビューのメンバー。大学入学直後、サークル選びで二の足を踏んでいたところに現思研と出会い、なし崩し的に入会する。AMラジオのエアチェックとアニメ、はてなダイアリーをこよなく愛する。2年次から3年次に上がる際に現思研三代目会長を任されてからはめきめきとリーダーシップを発揮、「はてな百傑入り」という目標を果たした。ハンドルネームは「ekken2」。

  • 岡田俊緒

伊集院と同じ学年の現思研メンバー。イケメンな容姿とは裏腹に、アニメから対戦型格闘ゲーム、ギャルゲーに至るまであらゆるオタクカルチャーものに精通するハイレベルなオタク。特に格闘ゲームに関しては全国レベルの腕前を持つと噂される対戦の達人。それでいながらマイペースで天然な性格で、現思研に入った理由は本人曰く「自分に合ってそうだから」。

  • 横山優希

文化系趣味を全く持たない、全くの一般人。むしろ文化系を毛嫌いしており、物語の初期では岡田のオタク趣味をやめさせるために現思研の部室に現れては邪魔をしていた。愛読書:Camcam

  • 山形玄白

やせ型・メガネ・刈り上げおかっぱ頭の現思研メンバーで、伊集院たちの1年先輩。思想大好きで皮肉屋。宮台を語らせたらうるさい。生活費を削ってまでデリダの全集購入に資金を回すほどの思想家であり、本人も思想マニアであることを誇っている部分がある。現思研の中心的存在であり、後に初代会長からの推薦とメンバーの満場一致により二代目会長に就任する。はてなで社会問題を語るブログをやっているが、伊集院よりもアクセス数が少ないのが悩み。

  • 後藤辰敏

サブカル君。 おしゃれでサブカルちっくなものが大好き。両村上や辻よしなり人成、ロッキンオンジャパン(Buzz)などを愛読しており、よく部室のノートにポエムを書いている。恐らくどこかの解説書からぱくったと思われる作家論をぶつのが得意。童貞やダサい人間をバカにしている。

山形、後藤と同期のメンバー。メンバーからは「ドーテーの寅さん」と呼ばれる。異性の話になると急に「俺は女とかどうでもいいんだ」などと無頼漢を気取る。メンバーは彼の恋愛論を「童貞風を吹かせる」とよんでいる。

  • 初代会長

現思研の初代会長であるが、もうずっと会長をしている人物。

  • 岸田重雄

黒ぶちメガネがトレードマーク(後輩の後藤が同じメガネを掛けていたため後に外すことに)元は現思研のメンバーであったが(斑目たちの1年先輩に相当)、軽音サークルに入り浸っている状態のいわゆる幽霊部員。会費も払わずに軽音に居座り続けている。話が長く、つまらないアーティスト論を所構わず撒き散らすため、相当な嫌われ者で、現思研からも軽音からも疎まれている。後輩たちから付けられたニックネームは「サウンドオナニスト」。

  • 間千佳

アメリカからの帰国子女。伊集院たちと同じ代のメンバーだが、後期入学のため入会は半年遅れ。非常に長い髪をもっている。見た目とは裏腹に重度のフェミニスト。何かサークル内で問題があると全て男社会のせいにする。彼女らの次の代が問題児の朽木しかいなかったため、4年次にして彼女が四代目会長に就任する。ペンネームおよびハンドルネームは「女版飯野賢治」。名言は「バックラッシュが嫌いな女子なんかいません!!!!」

  • 御坊茶魔

伊集院たちの1年後輩にあたるメンバー。入学直後の新歓期に現思研に仮入部していたが、横山たちによって追い出されてしまい、翌年の春まで登場しなかった。追い出されてからは国際問題研究会に所属するも再び追い出され、現思研に出戻りの形で正式メンバーとなっている。基本的に雰囲気を読まない(読めない)ハイテンションなキャラで通している。反マスコミ、反左翼・日教組。バイブルは「ゴーマニズム宣言」。

  • 椎名林子

新歓期に漫研の女子部員たちとトラブルを起こし、現思研で引き取ることになった異例の新入部員。東北地方の出身で、伊集院たちの2年後輩にあたる。実は行く先々のサークルを男女関係のもつれで崩壊させている。現思研でも一悶着起こし、現思研サークルクラッシュ事件の原因となる。文化系女子。5代目会長に就任する。

  • 伊集院通子

伊集院の妹。メンヘル

国際問題研究会の会長。左翼。斑目と親しく、その縁で現視研にもちょくちょく顔を出す。

  • 辻本

推応大学学生自治会の副会長。駄目サークルを徹底的に嫌い、そのうちの一つである現思研を潰そうとしていた。冷静、冷徹で処理能力は高いが、ちょっとしたことですぐにムキになる。ある出来事がきっかけで、元連合赤軍幹部と付き合い始める。その後も恋人関係は継続しており、内縁の妻となっている。


エピソードリスト

  • 現代における思想を中心とした文化の研究

・第一回。伊集院たちが現思研に入る事になったエピソードが語られる。現思研のメンバー紹介。

  • 消費と遊興による文化系の比較分類

・現思研メンバー、岡田・後藤・渥美の3人で「ピクシーズはおしゃれか否か?」について熱い議論が戦わされる。「洋楽なんか聞く奴はおしゃれ」という岡田に対し、後藤は最終兵器「はっぴぃえんど」を出しこれに対抗。渥美は「音楽なんかで女にモテようとするのが童貞臭いのさ」と言ってのけ、他2人の反感を買う。後藤のiPodのリストにPerfumeが発見されて形勢不利になった所で、最後には横山の「現思研にいること自体がおしゃれじゃないよね」というハンドアックスで全員撃沈。後のサブカル対オタク最終戦争のエピソードの布石。

  • 童貞会議の問題点とその功績

・大学近くのジョナサンにて渥美、岡田、伊集院、御坊とで車座での童貞会議が行われる。「髪が黒髪じゃない女とは付き合いたくない」「いつか必ず理想の腐女子がオレの前に現れる!」という伊集院・御坊・岡田に対して、渥美の大演説が始まる。「赤い服を着ている女はやりたがってるんだぜ」「オレなんか女に天狗2時間も入れてたもんね」「対面座位で相手を乗せて、挿入(いれ)たままで「好き(ちゅっ♪)」お互い、にこりん(*^-^*これがイメージ出来たら童貞卒業っ(></~」という都市伝説をまくし立てる渥美清純!「ドーテーの寅さん」の面目躍如!!

  • サブカルセンスによる差異化ゲームと心理的障壁の昇華作用

・会長の家に集まり、蔵書自慢をはじめる現思研の面々。デリダフーコー、ウォーラステイン・・・しかし、全員まともに読んだ事がなかったのだった。次々と剥がされる化けの皮!山形は実はライトノベルしか読んだ事がない事を隠し通せるか!そして、そのなかで空気を全く読まず「愛読書は熱写ボーイ*1です!」と言い切る伊集院。現思研の面々は無事会長宅を後に出来るか!

・アメリカからの帰国子女、間千佳が現思研にやってきた。彼女はサークルに問題が起こるたびに「それは男社会のせいですよ」としか言わない。日ごろから男性陣の横暴にイラついていた現思研女性陣はそれ見たことかと尻馬に乗る。挙句の果てに山形が「自らをリベラリストと規定する」とか訳のわからない事を言い出し、間千佳側に付く。対立する男女、そして「フィールドワーク」に出撃する山形。現思研の明日はどっちだ!

  • サブカルチャーをめぐる他者との関係論

・始まりは「小西真奈美文化系女子か否か」という些細な言い争いだった…岡田と後藤とで始まったこの論争はやがて現思研全体を揺るがす「オタク対サブカル」という争いに発展していく。参戦する現思研の面々。無限に続く優越感ゲーム

  • 対人関係における行動選択の特徴とそれにより惹起される問題点

・新入部の椎名と伊集院の妹、通子がやってきた。通子はゴスロリメンヘルで、手首には常にリストカット、かばんには「KERA」がある。それでいて自分だけは他の人間とは違い、高みから現思研の面々を見下している。一方で会長に色目を使う椎名。その日、会長と椎名は道玄坂の闇に消えていった・・・。一方、他の女子の面々は冷ややかに2人を見ていた。そして通子が部室で自殺未遂を起こす・・・。それを介護する事で賢明にアピールしようとする男性陣。通子はうわごとのように「デパスを・・・」と繰り返す。「壊れやすいワタシ」を守ってくれる男は現れるか!

  • 準引きこもり過程における比較研究

・就職活動が上手くいかず、次第に社会からの疎外感を感じる伊集院。家に引きこもる事はないが伊集院は次第にある視線を感じるようになる。それは「樋口」と名乗る学者によるものだった…。時同じくして伊集院のブログに同じIPアドレスから何度も同様のスパムコメントが付くようになる・・・。

・学祭の季節。学祭の出展場所を巡って争う現思研と自治会首脳部。学祭の権益をめぐる争いは、御坊対辻本、民青、引いては右翼対左翼の対立を引き起こす。この古臭いアングルに対する現思研の面々は?「童貞ども!ピースボードに乗れ!!」

  • 文化系サークルにおける悪意の所在論

・最終回。会長と付き合っているはずの椎名。しかし彼は後藤や岡田とも怪しい動きを繰り返していたのだった・・・。部室でのプレイを目撃される後藤。そしてそんな椎名に恋する山形・渥美。蠢く女性陣。そしてmixiににゃんにゃん写真が!白雪姫と七人の小人はかくも醜いものなのか!そして伊集院は「リアル熱写ボーイ」という無実の罪を晴らすことが出来るか!感動と絶望のフィナーレ!!

*1:青少年の発育上好ましくないのでURLはありません