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古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

Gファイルの衝撃

Gファイル―長嶋茂雄と黒衣の参謀

Gファイル―長嶋茂雄と黒衣の参謀


「Gファイルー長嶋茂雄と黒衣の参謀」読み終わりました。
読み始めたら止まらなくなって、三時ぐらいまでぶっ通しで起きて読んでいたおかげでおねむ続きだったんですが、いや、すげーおもしろいわ。
本の主な内容としては、 次の2点に集約されます。

・第二次長嶋政権での長嶋茂雄の采配、そのほとんどがある人物の指示によるものだった
・その人物は巨人内に選手のプライベート情報すら収集し、巨人内における長嶋茂雄の権力を確立し、ひいては常勝巨人を作るための諜報機関、GCIAを作ろうとした。

というものです。長嶋茂雄の黒衣の参謀=河田弘道。彼の1994年から97年までの4年間、GCIAを作ろうとした河田の苦闘と挫折。しかし、それを彩るエピソードの生臭いこと、生臭いこと。
堀内を首領とする巨人内部の守旧派=V9組との対立、そしてそれを巧妙に利用した読売グループ内の暗闘、ちらつく森・川上の影、桑田の数々の疑惑はもちろんのこと、根本睦夫や堤一族との死力を尽くした闘い、崩壊した長嶋家、そして暗躍する永田町の面々・・・。と正に東京読売巨人軍とはそのまま、日本プロ野球史の暗黒面と紙一重であるという事がこれでもかと見せ付けられます。そしてそこの監督になるというのはそれこそすなわち高度に政治的な産物以外の何物でもなく、そして、日本のプロ野球というものの奥に蠢く、どす黒いものをまざまざと見せ付けられます。
そしてなにより、あのミスタープロ野球、長嶋茂雄が怒り、嫉妬し、あまつさえ自らの保身に汲々とするただ一個の人間であったことがひしひしと感じられます。


で、


ここで思い出していただきたいのが、長嶋茂雄ないし巨人軍なるものとは、団塊の世代の昭和的価値観、つまり老人どもの依って立つ価値観の最たるものの1つであるということです。
つまり、
己の成功体験のみを信じ、多様なものの見方を許さない狭量な価値観、地位にしがみつき、己の保身を第一とする思考、馴れ合い、談合をよしとする体質の事を指します。
皆さんの会社で周りを見てください。会社にいる彼らは自分達がみとめる価値観、その多くはDQN的価値観なのですが、それ以外の自分達が理解できない価値観を理解しようとはせず、全て「よくわからないもの」として排除します。そして、彼らに払っている報酬は実質我々の報酬を減らす事で支払われています。


例えば、巨人さえ優勝すれば、他のチームのファンがどう思うが、知ったことじゃないとする態度と、自分が理解できないものを「フィギュア萌え族」と呼び何か問題が起こった時のスケープゴートとする事、自分達のポストや報酬は絶対に死守する。そのためにフリーターや低賃金で甘んじる若者達が大量に発生しようがどうでもいい。あまつさえ「2007年問題」を作り、自分達の再就職先は確保する。
これらはいわゆる老人達の昭和的価値観の醜悪の発露です。


そのもっとも醜悪な発露の1つが徳光和夫なり大谷昭宏であることは論を待たない訳ですが、長嶋茂雄こそ、彼ら老人たちに崇め奉られる偶像そのものでした。
そして、当の人間・長嶋茂雄は、勝利ではなく巨人の監督であり続けることを選びました。つまり、彼は少しでも長く偶像として崇められることを望み、そのためにあらゆる事を犠牲にしました。山積みされた問題を先送りにし、彼に魅せられ、彼を信頼してきた人々を犠牲にして。その辺りの経緯についても本では触れられています。
しかし、長嶋茂雄個人に対しては深く同情しますが、「長嶋茂雄よ、死んでくれ」ギャグでも悪口でもなく切実にそう思います。ひょっとしたらそれは本人ないし周辺*1はそれを望んでいるのではなかろうか。だって、生きているかぎり偶像は破壊される危険を孕んでいるのだから。
しかし、彼が体現する老人の価値観は遠からず絶対に覆るとおもいます。
今はまだ老人達は安泰でしょう。ただ、10年後、20年後、その先は?
その時にこの本はどう評価されるのでしょうか。

*1:長嶋茂雄」という権益を食い物にしている人々。もちろん、前述の醜悪な老人も含まれる

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