古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

はてな村博物誌9「ABCシステム論2」

天は何も語らず歴史をして語らしむ*1
http://d.hatena.ne.jp/republic1963/20060924#p2 の続き。

  • ABCシステム論前史、恋愛啓蒙主義と本田=マルクスの登場

ABCシステム論について語る前に恋愛啓蒙主義と本田=マルクスについて語らねばなりません。
恋愛啓蒙主義とは何か、それは一言で言ってしまうと、
「全ての人に恋愛は可能である」
という前提に基づいた世界認識です。「恋愛=万人がするべき、万人が可能なもの」という前提を元にしているため、「恋愛なんてしなくてもよいのでは?」という問いかけは「なかったもの」とされます。啓蒙主義の歴史観においてアジア・アフリカの歴史が「野蛮人の歴史」として「なかったもの」とされたように*2。恋愛啓蒙主義の人々はこの21世紀にも時折見かけられます。つまり白川桃子大先生や神田お姉さんです。
一方、恋愛啓蒙主義を口を極めて批判した本田=マルクス恋愛資本主義は死んだと言い、かなりの反響を得ました。これまではそんなことすら絶対に口に出してはいけなかったからです。
しかし、彼がその恋愛資本主義の先に設定したものは2次元恋愛、つまり萌え・エロゲーでした。つまり、恋愛資本主義の先には2次元恋愛によって恋愛が誰にとっても平等に得られる、恋愛共産主義の世の中がやってくるという予言です。
この二つの思想に共通しているものは、
「あるべき世界があり、全ての歴史はそのあるべき世界に向った運動である」
という発展段階論とでも呼ぶべき認識です。


  • ABCシステム論と(コミュニケーション能力の)「低スペック化」

ABCシステム論(ABC-System(s)Theory)が真にユニークなのは発展段階論をとらないところです。スクールカーストに当てはめると、前に紹介した両者はそれぞれ、「誰だってAクラスになれる、なるべきだ」(恋愛啓蒙主義)、「実はCクラスこそが新時代を切り開くエリートだったのだ!」(恋愛共産主義)でしたが、ABCシステム論ではそのような考えはとられません。つまり、ABCシステム論においては極端な言い方をしてしまうと、「ABCのピラミッド構造は一生維持される」というものです。


・本来ABCのスクールカースト間の格差を是正するべき「大人」が潜在的なAクラス支持者であるため、格差の是正が行われる可能性は限りなく低い。つまり、Aクラス、Bクラス得ている利益の分、不利益を受ける。


・「モノサブカルチャー」、「アニエンクロージャー」現象の発生(詳細は前回のABCシステム論を参考)


スクールカーストによって受けたルサンチマン、トラウマの悪影響


これらの要素により、Cクラスは(コミュニケーション能力の)「低スペック化」が起こり、結局ずっとCクラスであり続けさせているような構造になっています。そして、それは恐らく一生続きます。当然ですが、「実はCクラスこそが新時代を切り開くエリートだったのだ!」なんていうのはたちの悪い妄想以外の何者でもありません。
ABCシステム論には「あるべき世界」も、「あるべき世界に向った運動」もありません。ただ収奪され続けるだけです。そんなABC論者と先の発展段階論者とがまともに話が通じるわけがありません。

  • (コミュニケーション能力の)「低スペック化」を超えて

では、ABCシステムの中で我々Cクラスはどのように振舞うべきなのでしょうか?それこそ数多くの説が出されている大問題であり、一朝一夕には解決しない事は明らかですが、何点かヒントを挙げる事は可能でしょう。


・ABCのカーストはあくまでも相対評価である→Cクラスが多いところに行けば・・・(「ぬるま湯」問題はあるが)
・大学、会社というリベンジの可能性→「金」「収入」という新たな評価軸
・おら東京さ行くだ→何だかんだいっても「東京」という「場」はまだまだ利用できる
・「擬態」→表面上だけでも取り繕う必要はやはりあるのではないか?
・ネットで吹き溜る→一番簡単な解決策。ただしこれだけをやり続けると致命的な事になる可能性は否定できない。


この項、了

*1:仲谷昇さん追悼、そして祝・本家復活

*2:「リベラル」的に正しい描写!!

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