古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

隣の席に座るひとびと

会社でi-pod聴いている。時間は23時を少し過ぎたぐらい。まわりには誰もいない。ディスプレイには次の日のプレゼンに使うパワーポイントの資料が映し出されている。昨日も、その前も見た画面だ。
営業という仕事は基本的には体育会系の仕事だ。「考えるより動け」、「上司・先輩の意見には絶対服従(たとえそれが間違っていたとしても)」、「論理より声のでかさ」、「飲み会でうやむやにしていけ(全てを)」といった感じ。そういった資質の多くは体育会系と呼ばれる人々の資質だ。「動く前に考え」、「上司・先輩の意見が正しいか検討し」、「声のでかさよりも論理」、「一度やられた事はけして忘れない」ような人間はこの場では必要ない。


シャッフルしたi-podからR.E.M.「OrangeCrush(live盤)」のイントロがかかりはじめる。
彼らの何が信用ならいかって、日常私の隣で仕事している人は多分浜崎なとんとかやら倖田なんとかやらエグなんたらやその他カスみたいなやつ(チャットなんとかやラッドなんとかですらない!)ばかり聴いているという事だ。それだけならばいい。さらに度し難いのはそうする自分を一瞬たりたりとも疑っていない、という事だ。そこでR.E.M.を聴いている、という事は十分差別されるに値する。
そこで差別されず、自分の居場所を確保するためには数字を上げ続けるしかない。


続いてi-podから流れてきたのはCURE「In Between Days」。
それにしても思う、会社、なかんづく営業なんてところに存在しているのは剥き出し悪意しかない。優越感ゲームしかけてなんぼ、陰口たたいてなんぼ、上司から圧力かけさせてなんぼ、なんてことはない、この無機質な机や椅子に囲まれた部屋は砲弾飛び交う戦場なんだ。そんなもんだ。そういうところにいる人間から見れば、はてなムラだ罵倒だ正論だと言い合うことは本当に微笑ましく、いとおしいものだろう。そうぼんやりと考えながら今日の会議の議事録を書く。


Happy Mondaysの「Kinky Afro」のサビのメロディを思わず口ずさみかけて止める。
会社の同期って大学のテニスサークルみたいなノリで私はそれが虫酸が走るほど嫌いだ。そういえば、会社に入った当初、同期の「○大イベントサークルの幹事」を名乗った男はカラオケでトランス風のJ-POPのリズムにノリながら裸になっていたっけ。彼らは相変わらず「仲良しな同期」をやっているらしい。それは過去も未来も続いていくのだろうと思うと少し哀れな気持ちになる。それは、彼らを哀れんでいるのか、それとも自分自身を哀れんでいるのかはわからないのだけれど。


一十三十一「Beautiful」。
ただ、はてなにも感謝していることがある。それはある意味会社での人間関係を達観できたところだ。今、そういう人を遠慮なく切れるのは多分はてなをきっかけにしてできた知り合いのおかげだと思う。はてなのおかげであの頃の世界よりも今の世界のほうが確実に広がりがある。あんまり嫌だったら切っていいんだ、って思ったら結構楽になった。オルタナティブな人間関係を作れるのはそれこそカルチャーセンターとか、宗教とか、いろいろあると思うんだけど、たまたまそれがはてなだった、という事だ。それだけでも自分にとってははてなをやった意味というのはあるのだろうと思いながら、パソコンの電源を落とす事にした。

i-podから小谷美紗子「OUT」。なんだか染みる。


R.E.M.ライヴ(DVD付)

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グレイテスト・ヒッツ

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Greatest Hits

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Synchronized Singing

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Out

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