読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

赤坂真理 『モテたい理由』を読んで(「私たち」をとりまく「リアル」について2)

DT

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50974412.html

モテたい理由 (講談社現代新書)

モテたい理由 (講談社現代新書)


Radiohead聴きながら一気に読んでしまいました。
まず、最初に断っておかなければならないのは、恐らくこれは私小説もしくはエッセイである、ということです。つまり、どこまでも著者の主観であり感覚であるという事。だから非モテないし男女「論」的なものを求めて読む人は若干肩すかしを食らうのではないのでしょうか(私も食らった)。いきなり最初に戦争だ、政治だと話をしたときには正直面食らいました。買った本間違えたかと。


…という前提の上で言いますが、かなり凄い一冊。
まず、女性誌の分析や、ライフスタイルについての部分は個人的にはかなり面白かった。自分もよくこういう読み方をするので、わが意を得たりという気もしました。まぁこういうのは別に女性誌だけではなくて、あらゆるメディアにおいてありうる事なのですが。
その上で個人的に面白いと思ったのは、


・オタクと女性誌読者というのは鏡像である


という部分です。
ここで『JJ』の実例が出てくるんですが、つまり簡単に言うと特集で書類やポスターを山ほど抱えてこけてしまった(『JJ』のせりふキャプションがついているんですが、これが殴り殺したくなるぐらい大爆笑必至のものなので、是非読んでみてください)女子OL=ドジっ娘をまさにドジっ娘という「属性」で愛してくれるのはオタクぐらいなもんだろうという指摘、これは面白いと思いました。確かに、と。私が実際にそれを見たら殺意以外の感情を覚えないでしょうから。
「ある一つの世界観の中で記号の順列並び替えで持って戯れている」
という意味では赤文字雑誌の読者=エビちゃんOLもオタクもあまり変わらないのでしょう、ただ、それを言い出してしまうとこの世の中のほとんどの人もそういう事になってしまうと思うのだけれど。ただ、一つ違うのは、それが金になるかどうかでしょう。「恋愛」というものを肯定しておいた方が金になるし、エビちゃんOLは金になるけど、オタクは(今のところ)金にならない、ただそれだけの事でエビちゃんOLは全肯定され、オタクは否定されます*1
よく眺めてみると、Cancamなどで提唱されているモデルのキャラ設定(電車の中吊り広告でよく見る「○○着まわし1か月CD」みたいな記事はストーリー仕立てになっていてモデルや登場人物の詳細なプロフィールが設定されている。CDってなんだよ。スマパンとかかかるのか?)は無茶苦茶荒唐無稽です。雑貨屋とか広報とか、そんなにいらんだろ、みたいな。それは転校生の美少女が実は世界の命運を握っていることを信じる事と同じくらい難しいと私は思います。むしろ「手が届きそう」な分だけ性質が悪いとさえ思います。多分こんなの無理だとというのはCancamを作っている人(小学館じゃなくて委託された編プロ)も自分を見ればわかるはず。


ただ、このストーリーは維持されなければならない。
そして、みんながどこかの圏域に属して、ストーリーを共有しなければいけない。
なぜならみんなのおまんまがかかっているから。
そこには、それなりに信じる人もいるし、完璧に信じちゃって傍目ではやばい方向性になってしまう人もいる。それはストーリーを作っている人ですらコントロールできない。
それは赤文字雑誌の読者もオタクも、サブカルも、DQNもありとあらゆる人がみんな多分同じなんでしょう。
ただ、その時に荒野のただ中に立っているような薄ら寒いような感覚を覚えるのは私だけでしょうか。

でも、おかしいものはおかしい。23〜24の「OL」(通常は事務職女子の意である)に「プロジェクト・リーダー」が任されてるとか、なのに「アフター6」がしっかりあるとか。そんな「おかしさ」について、誰に宛てるともなく私は書き始めた。
 おかしさとは「可笑しさ」であり「頭のおかしさ」である。

http://shop.kodansha.jp/bc/magazines/hon/0801/index04.html

*1:この件についても少し触れられている