古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

インターネット上での名声について

山田太郎という名前の人間がいるとします。
彼がブログを書いたり掲示板に書き込んだり、ブックマークしたりすることを思い立ったとして、もしその彼が東京スーパースターズの四番キャッチャー(もちろん三冠王も取っている)ではないということであれば、彼が実名で活動するかハンドルネームを名乗って活動するかは大した問題ではないと思います。
それは、彼には何の名声もついていないからです。世間的に「どういう人間か」まったく認識されていない人にとっては、実名だろうがハンドルネームだろうが、もとからネームバリューがゼロなのだから明確な倫理としての答えが出ていない以上、どちらを選ぶか、というのは本人の好みの問題になります(当然実名の方が万が一の炎上リスクはあるが)。逆に言うと、実名か匿名かを選択することが有効なのは元から有名な人たちだけ、ということになります。つまり、山田太郎さんが実名で活動するか匿名で活動するかは本人の好みになりますが、鳥越俊太郎が実名か匿名か選択することは意味があります。
つまり「鳥越俊太郎」という名前に付属しているリアルでの評判をそのまま利用することができるからです。


ですが、最初匿名で活動していたとしても、しばらくすると彼の「名前」はある種の評判を帯び始めます。どういうテキストを書いたのだとか、どういうコメントをしたか、といった活動を通して。プラスにしろ、マイナスにしろ、「この人はこういうものだ」という評判が広がり始めます。たとえ限定された範囲にしろ。その時に、その人が実名か匿名かというのは特に関係ありません。実名だろうが匿名だろうがプラスもマイナスもどちらの評判もつく可能性があります。


インターネットの人々というのは基本的には忘れっぽい。
去年の今頃どんなネタをやっていたとか、何々というハンドルの人がいるとか、そういう事をいつまでも覚えている人はあまりいません。ところが、発言内容は基本的にはいつまでも残り続けます。自分で消すという方法もありますが完全ではありません。
ですからポジティブな評価を積み重ねようとすれば常にネットの世界で活動し続けなければなりません。一方で悪評は時間を置けば消えたように見えます。それはみんなが忘れてしまうからなんだけど、ログとしてはいつまでも残り続けます。
「評判」なんていうものはプラスとマイナスどちらもあってそのバランスでしかないというのは当たり前なのですが、問題はバランスがマイナス側に振れすぎてしまった場合にとりうる方法が名前を変えてリセットすることぐらいしかない、という事です。ただ、その際に当然プラスの評判もリセットされてしまいます。このとき、リセットに抵抗がないのは実名でしょうか、匿名でしょうか。