要は、勇気がないんでしょ?
ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとロキノン信者で、音楽を理屈を説明するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらずロキノンの読者欄でバンドメンバー募集*1してまして、
男友達と飲みながら「誰も俺のロックを理解しない、だからバンド活動できないんだ」と文句言ってたのです。
新宿の白木屋で。
したらまた、この友達が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からバンド組もう」と。
楽器なんか演奏したことないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でも友達は、少し遠くで飲んでいる2人組のいかにもベースとドラマーらしき人を指さし、「あそこ行ってバンド誘おうぜ」と言い、席を立ちます。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
友達は「嫌がられたら戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをやめました。
「じゃあ、店出て、外歩いている人誘うか?」と友達は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも周りにお前のロックを理解する人間がいないんだろ? だったら他から集めるしかないだろ」と友達は口調を強めます。
「そうだけど、もっと普通に知り合いたいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「友達の紹介のブリグリ好きな女の子とか、同じサークルの文化系女子とか、そういう…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今からバンド組めるか聞いてきて、そいつがガールポップのファンだったらいいか? それも友達の紹介だよな」という友達。
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。ガールポップはロックじゃないって」
「は?」
「その…」
「…ロックじゃねぇよ。フューチャーポップ*2だよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、フューチャーポップ、少し苦手だし。そこまでしてバンドが組みたいってわけでもないし…」
友達はオレの顔をじっと見つめながら、一言、
「だせぇ」
と言いました。
ごちゃごちゃ言ってるけど、勇気がないだけじゃん
彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
勇気がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。
バンド組む勇気もないやつが、真のロックとは!?とか言うんじゃない。
どうせクラブに行けば「大沢伸一やDJ KAWASAKI聴いてるような子は…」って言うし、
フジロックにつれていけば「ああいう場のノリは苦手だし、そういうところに来る子と仲良くなれそうにない」とか言うだろうし、
東京モード学園の自称アーティストを誘え言えば「いや、彼らとはクラスターが違って交流がないし」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分には他人とバンド組む勇気がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、
つーか、できない理由並べて、今の自分を否定させずに、わかってもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。
あれは恥ずかしかったなー。すげぇ。恥ずかしかった。
その場は言い訳もできず笑ってごまかしたけど、家に帰ったら彼の顔とセリフが思い浮かんで、
布団の中で「でもさ、でもさ」と必死に言い訳考えてた。
オレにはオレの事情があるんだ、しょうがねぇじゃんかよって。Coccoの「カウントダウン」聞きながら(笑)
ひとしきり考えたら、そんな自分を「だせぇ」って思った。
元ネタ:http://d.hatena.ne.jp/guri_2/20080316/1205641886
その後の反応等を見るにつけ前回*3の言及し方を少し申し訳なく思います。・・・がまたネタにするという。