秋葉原のプロレス会場に足を向けろ
参考:http://anond.hatelabo.jp/20080907162229
ゼロアカ道場第4関門に関しては:http://d.hatena.ne.jp/noir_k/20081022/1224641033
ゼロアカ道場というのはリアリティーショーの一種なんだけど、その実はプロレス的でもある。つまり、ゼロアカ道場は「あいのり」的ではなく、極めて「ガチンコ!」的だということだ。
リンク先の言葉を借りれば、「ガチンコ!」は全くガチンコではないという事によって、逆にこの番組は唯一無二の番組になったのだと思う。
「ガチンコゼロアカ道場」における大和竜門は東浩紀だし、TOKIOは講談社・太田氏ということになる。そこでの「神輿やないねんから」*1のおっさんや、ファイトクラブの梅宮は誰かというと、道場の受講生ということになる。毎回の乱闘騒ぎ(もちろんこれはガチンコ!的比喩表現。)はXactiで撮られ、ustやニコニコ動画で配信される。視聴者達の評価に晒される事になる。
つまり、そこで問われているのは「批評家としてのスキル」+「キャラ」である。今までの活動内容等を見るかぎり、そういった「構造」に関してはかなり受講生や道場破り達も自覚的ではあると思う。
そう考えてみると、「真の批評が云々」というのがどれぐらい重要なのかはよくわからない。これは私の主観だが、今の時点ではやはり「批評家としてのスキル」と「キャラ」は五分五分どころか、7:3ぐらいで「キャラ」が重視されているように思えます(第一、「批評」みたいなものにほとんど興味のない/高度すぎて理解できない私がこれを楽しめているという事はそういう事なんじゃないだろうか)。
それどころか、私は今の時点でゼロアカ道場というのはほとんど成功しているのではないか、と思う。つまり、「ガチンコゼロアカ道場」の一連の場外乱闘によって、文学フリマや「批評そのもの」に対して注目が集まっていることも事実だからだ。もちろん「ガチンコゼロアカ道場」での「プロレス」はテレビ朝日系全国12局ネットどころか2ch東スレを中心とした数百人のウォッチャーにむけてしか届いていないというのは事実だが、それでもネットやはてな界隈を中心にしてそれなりの人たちの注目を浴びていると思う。プロレスには「風車の理論」というものがある。「相手の力を限界以上に引き出した上で、自分がさらにその上の力を出して相手を倒すことで、自分だけでなく相手も輝かせる」という理論だ。ゼロアカ道場をきっかけとして文学フリマで継続して活動を続けている他の良質な同人誌にも脚光が当たるし、ゼロアカ目当てで来た人も他の同人誌を見たり買ったりする可能性もある。なにより、作る側もそういったことをほんの少しは意識する。であれば、それでもうゼロアカ道場の役割というのは半ば果たされたのではないだろうか。
批評なり純文学といったジャンルが斜陽産業なのはもうこれまでにも再三指摘されてきたことなのだけど、そういった意味で、私には東浩紀がケロちゃん(田中秀和リングアナ)に見えてしょうがない*2。
ということで、私も当日はゼロアカ組からも良く精選して買うものを決めたいと思うし、他のブースも良く見てみたいと思う。結構楽しみ。
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