ネット上の人格と妄想メソッド
オフ会などで人に会うと、最初考えていた印象と違っていて戸惑ったりする事がよくあります。
それは「以外にいい人だな」だったり「こんな人だったのか」だったりしますが、
なんでこんな事が起こるのかというと、私が最初考えていた印象というのはウェブ上に書かれたものを元にして作られたものだからです。
つまり、ネット上の人格とリアルの人格では微妙にズレがある。
ネット上では「人格を作る」事が可能なので、リアルの人格と全く別の人格を作る事はもちろん可能です。だけど、そこまで行かず、リアルの人格を反映させた文章でもネットとリアルでは微妙なずれがあります。それは、人はネット上に人生の全ての情報を書くわけではありません。例えば、非モテブログを運営していたとして、人生で起こること全てが非モテなわけではありません。ロスジェネブログであってもそう。人生で起こること全てがロスジェネなわけではないし、ごく稀に上司や同期にやさしくしてもらったりすることも全くないわけではないと思います。
だけど、人生で起こる「すこし非モテっぽくないこと」や「少しロスジェネっぽくないこと」がネットに登場する事はありません。これらは「ネット上の自分のキャラじゃない」ためにそれらはノイズとして処理される。それは別に嘘を書いているわけではありませんが、「ほんとうの自分」とは若干の乖離があります。いわば、「デフォルメされた自分」です。
。つまり、何が言いたいのかというと、ネットにおける人格というのはリアルの人格の一部を切り出し、強調したものに過ぎないのではないか、ということです。
一方で、読み手側としては、「ネット上の人格」と「リアルの人格」をほとんど同一視して語りがちです。というか、「ネット上の人格」を元に「リアルの人格」を組み立てる。そして、その「妄想上のリアル人格」をもってその人を批判する人もいる。「〜というエロゲー言説の人はコミュニケーションに難がある」とか「はてなで馴れ合っている人はモテない*1」とか。確かに、ネット上の人格はリアルの人格の表れではあると私も思いますが、あくまでそれはデフォルメされた人格(デフォルメされ方は人によって違う)です。それをもってリアルの人格について云々するのは後で涙目になるんじゃないんでしょうか。