古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

現実逃避の話

http://d.hatena.ne.jp/schizo-08_08/20091101/1257079124
まずは、18歳*1でこれだけのブクマを集める記事を書ける、というところは凄いと思います。


が、よくわからない。
要は、「やりすぎるなよ」(CV:高相祐一)ということなんでしょうか。


もうよくわからなくなっているのだけど、「オタクとかサブカルは現実逃避的なコンテンツばかりを消費するのではなくて現実に向き合え」という主張をする場合、同時に、「あるコンテンツを消費した場合の読者の反応は全て同じである」という大変に読者(消費者)をバカにした態度とセットになってないか、という疑問があります。
要するに、「エロゲーやっている人は現実逃避する」とか「木更津キャッツアイ見てる人は現実にむきあっている」とか。あるコンテンツを消費して、どういう教訓を引き出すか(もしくは引き出さないか)という事は、人によって千差万別なのではないかと思います。要するに、いくら木更津キャッツアイ見てたって、「岡田君カッコいい」とか思う人が大半なのであって、そういう人にとって木更津キャッツアイの人生における影響度合いというのは、エロゲー(AV)にしたってほとんどの人が波動砲を放出するかしないか、みたいな事に重きを置いているわけで、そういう人と「岡田君かっこいい」の人とそれほど大きな違いはないのではないのでしょうか。もちろん、だけど深く読むとこういう読みができる、というのが「批評家」だとか「ライター」の腕の見せ所というのはその通りだと思います。だけど、そういう人たちはいわば空中戦を戦っているわけで、それを鵜呑みにして「○○は人を現実逃避させるからダメだ」という批判の仕方については「ちょっとそれはないだろう」と思います。
要は世間一般の人はもっと無邪気にコンテンツを消費しているわけで、それ自体を責める事はあんまりできないんじゃないの?という話です。で、コンテンツそのものの価値(面白いとかヌケるとか)以外の要素によって価値判断するのはあまり良くないように思います。


一応その、18歳の方に言いたいのは、その、非常に言いづらい事ではあるんだけど、いわゆる人文論壇みたいなものに対して大いなる憧れをもつのは結構だし、私なんかいまだに大いなる憧れをもっちゃってるわけでまぁいいと思うんですが、1:基本的に人文論壇というのは概ね過疎の山村である 2:世の中の大多数の人というのはいわゆる人文論壇の動向なんて全く気にしていないし、それとはまったく違ったロジックで消費をしている(その善悪はさておき)ということについては、押さえておいた方がいいように思います。むしろそっちの方こそ現実を見ろ、と(自戒を込めて)。


最後に。犬マッシュ氏が当該エントリのブクマコメントに端的に示している通り、エントリ主は基本的にロキノン的煽り文への耐性をつけた方がいいように思います。毎月「世界が変わる音」が出るんだから、あそこは。

*1:Web上の情報を元にしております