「濃度の極めて薄いオタク的なものを嗜好する人」
私が中学〜高校生だった10数年前と言えば、オタク趣味というのは「恥ずかしいもの」だった。エヴァンゲリオンやテレ東アニメなどは見ているのは恥ずかしいし、他人に気安く言えるものではなかったように思える。だが、岐阜に帰ってきて、東京ではそれほど見ることはないが、「濃度の極めて薄いオタク的なものを嗜好する人」というのが田舎(≒郊外)には多く存在するような気がする。
・オタクコンテンツを嗜好するからといって行動様式もオタクなわけではない
・っていうか、ヤンキー的な人も多い
・好きなオタクコンテンツ「ガンダム」「エヴァンゲリオン」
・好きなマンガ「北斗の拳」
・「ガンダムSEED」を肯定する
・よく行くところ=パチンコ、マンガ喫茶、TUTAYA
・パチンコでエウレカセブンを知る。が、それ以上「掘る」事はしない
・≒超ライトオタク?
・アニメ以外の趣味=車≒痛車?
・アニメ以外の趣味その2=スキー・スノボー
基本的に彼ら・彼女らに関して、「サブカルチャー批評論壇」において半ば前提とされている、
オタク=キモい・ファッションセンス、コミュニケーション能力に難あり
という公式は必ずしも当てはまらない。
また、同様に岡田斗司夫「オタク学入門」において主張されていた「知的エリートとしてのオタク」という像も必ずしも当てはまらない。
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/04/25
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 107回
- この商品を含むブログ (46件) を見る
つまり、いままで言われてきたオタク像ではない全く新しいオタクが登場している*1。
ただし、彼らはその行動様式までオタクなわけでは必ずしもない。むしろ、その考え方の根本にはヤンキー≒DQN的な発想があるように感じられる。彼女がいないわけでもないし、部屋に引きこもっているわけでもない。日常生活だけ見れば彼らは極めて普通である。普通に仕事をし、普通に趣味を消費するのと同じような形でオタクコンテンツを消費する。いわば「田舎の普通の人」の一類型であるといえる。ただ、たまたま好きな作品がガンダムだったりするだけなのだ。そしてそういったコンテンツに触れるきっかけになったのが恐らく「パチンコ・マンガ喫茶・TUTAYA」という「ファスト風土三大文化施設」であろう事は想像に難くない*2。「サブカル」が極限まで薄まった形態が「雑貨屋としてのビレッジバンガード」である一方、「オタク」が極限まで薄まった形態がこれらの「ファスト風土三大文化施設」であるといえるのではないだろうか。