school food is good Music
- アーティスト: school food punishment
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2010/04/14
- メディア: CD
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school food punishmentのメジャーファーストアルバム、『amp-reflection』が昨日発売された。
私がこのバンドを初めて知ったのは『エデンの東』のエンディングテーマ「futuristic imagination」を聞いた時だ。初めて聞いた、その足でシングルを買いに行った。インディーズ時代のアルバムも全て聞いた。そのポテンシャルの高さに驚愕した。2月の単独ライブにも行った。記憶は妄想、ではなく確信に変わった。J-POPでこれだけアルバム発売が待ち遠しいバンドは久しくなかったように思う。
そして、昨日早速聴いた。はっきり言って、大傑作である。最初のイントロから3曲目まで何も言わず聞いてみてほしい。そして、レジに直行してほしい。J-POPでは間違いなく2010年を代表する1枚になるはずである。
2000年代後半以降の日本のロックの潮流とは、とにかく曲単位の加速度と密度を高めていく事にある。それは、詞にしても曲にしてもそうで、詞は情報量を増し、曲は色んなサウンド要素を融合したものになり、ギターは加速度を増していく。それは、凛として時雨にしてもMASS OF THE FERMENTING DREGSにしてもそうなのが、school food punishmentもご多分にもれず、無限に加速し続けるような疾走感が持ち味なのだが、どちらかというと、school food punishmentにおけるそれはメジャーデビュー前後に、
内村友美曰く、
「この1年でかかわる人たちも増えたし、イヤでは終われない感じになった」(http://natalie.mu/music/pp/sfp02 より)
結果、獲得したものであるように思える。
インディーズ時代の作品を聴けばわかるが、school food punishmentの魅力とはむしろ、みっちり作りこまれたサウンドの上に乗っかる浮遊するようなボーカルにあった。
で、今回のアルバム。
「goodblue」を聴いてみてほしい。サビのメロディは破壊的なバンドサウンド(ドカドカいうドラムが最高)であるにも関わらず、サビ前はむしろ浮遊感のあるポップなサウンドであり、そのサビ前が「タメ」として有効に機能している。これもschool food punishmentの卓越した構成力に負うところがおおきいだろう。
「futuristic imagination」や「light prayer」のように、曲単位の加速度と密度はこれ以上ないぐらい高まる。が、その上には浮遊するようなボーカルが乗る。そして、「butterfly swimmer」曲構成の巧みさ=サビ前のタメだったり、かっちょいいベースラインだったりが曲全体を引き締める。「04:59」のようなミドルテンポの曲では、内村友美の浮遊感のあるボーカルが大フィーチャーかつ大爆発している。
2010年バージョンにアップデートし、かつ自分たちの持ち味を失みうしなわない勇気ある挑戦に拍手を。そしてこのバンドの「次」を一日でも早く聴ける日が早く来ることを願う。