古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

amazon、e託販売サービスでミニコミを売る

(2011年12月一部追記しました。また、2011年時点での売れ行きなど経過が知りたい場合は、こちらこちらを参考にしてください。)

すでに公式サイトでは告知しましたが、今回、「dorj」をamazonのe託販売サービス販売する事にしましたe託販売サービスとは

出版社・メーカー様が販売権を有している商品をアマゾン配送センターに委託在庫。Amazon.co.jp上で在庫ありとの表示にし、カスタマーへの商品販売、配送及びサポートを提供するサービスです。現在、委託が可能な商品は和書、CD、DVD、ビデオゲーム、ソフトウェアとなっております
amazonサイトより引用(http://advantage.amazon.co.jp/gp/vendor/public/join/


というものです。要は、amazonのサイトで販売できるサービスです。

奇刊クリルタイ増刊「dorj」 Vol.2

奇刊クリルタイ増刊「dorj」 Vol.2


奇刊クリルタイ増刊「dorj」

奇刊クリルタイ増刊「dorj」


奇刊クリルタイ5.0

奇刊クリルタイ5.0


これには以上のような利点があります。


 ・amazonのサイト内で販売でき、多くの販売機会を持てる
 ・在庫はamazonもちとなり、amazonの流通システム、決済システムを利用できる
 ・amazonのランキング、アフィリエイト等の対象も可


このメリットがどれだけ大きなものかは、少しでもミニコミの委託販売などをやってみた人であればすぐにわかると思います。
ですが、誰でもamazonに委託できるわけではなく、そのハードルは結構高いです。e託サービスに参加する条件は、
 ・Amazon e託販売サービス 年会費(年会費\9,000)を購入する
 ・ISBNコードを取得している
e託サービスの購入自体はそれほど問題ではない(それにしたって価格は高いが)とは思いますが、問題はISBNコードの取得です。

■ISBNコード、JANコードを取得する

ISBNコードを取得するという事は単純に言うと、「日本図書コード管理センター」というところに出版者(社ではないところがポイント)として登録しなければいけない、という事を意味します。ISBNコードを取得するためには日本図書コード管理センターへの申請が必要となります。これが6桁(100書名分)のISBNで¥28,350(税込)10件だと¥16,800(税込)になります。ただし、これだとあくまで「出版者」としてのコードが登録されたにすぎず、書店で流通させるために一緒に書籍JANコードを申請する必要があります。そして書籍JANコードの申請料は3年¥10,500(税込)。これはEランク(出版者の出版物の年間総売上高(最新の決算期)が1億円未満)の場合の数値です。この金額を(財)流通システム開発センターに振り込む必要があります。
つまり、
¥28,350+¥10,500=¥38,850
をそれぞれ振り込んで、所定の用紙に記入・郵送するという作業が必要になります。
また、今書いた内容は定期刊行物(雑誌)には適用できません。奇刊クリルタイのシリーズは雑誌ではなく「ムック本」という位置づけです。大体2週間ほどで「出版者記号」が記された「ISBN関係書類」一式が届きます。世間一般でISBNコードと呼ばれているのは国番号‐出版者記号‐書名記号‐チェック数字で構成されたものなので、「ISBN関係書類」を元に出す書籍ごとにISBNコードをふり直す作業が必要になります。
さて、ここで重要になるのが申請書類における「出版者名」です。我々は「クリルタイ」をそのまま出版者名としましたが、一つの出版者記号に一つの出版者名が必要になります。つまりISBNコード=出版者で、奥付にある出版者名とISBNコード上に登録した出版者名とが同じでないといけない、という事です。この出版者名というのは非常に重要らしく、日本図書コード管理センターのご担当者様から何回かご連絡をいただきました。これが何を意味しているか、単純に、一つのISBNコードを複数サークルで共有するという事は不可能ということです。
ISBN関係書類が届いたら、「日本書籍出版協会「データベース日本書籍総目録」入稿システム」のサイトにアクセスし、刊行予定をアップします。当然ながら、販売する同人誌の裏表紙にバーコードも印刷します。このバーコード、印刷する場所も決まっている(ISBN関係書類に添付)ので、印刷会社にその旨、連絡する必要があります。なお、ポプルスではバーコードの作成、印刷など含めてオプションで対応できるようです。対応も非常にスムーズでした。

■amazon、e託サービスに参加する

ISBN、JANコードが準備できたら、amazonのe託販売サービスに参加します。e託サービスへの参加自体は簡単で、e託セントラルにメールアドレス・パスワードを入力。ログインします。そのうえでamazon内で販売している「Amazon e託販売サービス 年会費」を購入します。これで完了(購入後、マウスパッドが送られてきます(笑))。amazon e託販売サービスにログインすると、「商品登録」のタブがあるのでクリックします。「e託アカウントに商品を登録する」のリンクをクリックし、必要情報を入力。このままだと画像がないので、「商品画像の登録」ボタンを押し、商品の画像を登録します。この「商品情報の登録」と「画像情報の登録」後、amazonのサイトに反映されるまで2〜3営業日が必要です。この間、e託セントラルからメールが来て、納品部数が決まります。新規取引の場合、デフォルト1部のようです。e託は仕入れ掛け率が40%という大変素晴らしい掛け率のため、普通にやっていると到底マイナスです。そこで利用するべきは「クロネコメール便」。我々と同様e託サービスを利用してCDを販売されている方のブログによるとクロネコメール便でも普通に受付てもらえるようです。郵送の場合700円程度かかるのに比べてクロネコメール便がA4サイズで80円!数部単位で発注する場合は断然メリットがあります。そして我々が2〜3営業日の間ぼんやり「メタルマックス3」でもやりながら過ごしていると取り扱い開始!「著者セントラル」などに代表されるamazon内の全てのサービスを一般の著者と同じく利用できます。リピートオーダーはamazonから定期的に送られてくる「PO」によって発注が来ます。このPOが曲者で、amazon独自の計算によるものらしく、はっきりいって何部で注文が来るか全く予想がつきません。売れてても1部も注文が来なかったり、かと思えば10部単位で注文が来たり。そうこうしていると在庫切れの表示が出る事もたびたびです。いざ注文がくるとすぐに配送する義務がありますし、かといって無視しているとやたらと催促が来るので使いにくい事、山のごとしです。

■結論みたいなもの

以上、ISBNコードを取得し、amazonのe託サービスに参加するまでをまとめてみました。読んでいただければわかるかと思いますが、確かに手続きがめんどうな部分はありますが、それでも、e託サービスはまったく利用不可能なわけではないと思います。取次を通さず書店に置いてもらうよりはずっとハードルは低いように思います。現状、首都圏を中心にミニコミを取り扱う書店はありますが、地方も含めて取り次ぎを通さず営業して回るというのは非常に厳しい。ところが、そうしたamazonのメリットを差し引いても難しいのはやはり販売部数とISBNコードの部分です。1部ずつ注文・発送をやっていて(そのうち注文部数も増えるのだろうか)全然ペイできないというのと、ISBNコードを吸うサークルで共有できないというのはやはり厳しい。e託サービスを利用するためにかかった諸々のコストの合計が¥47,850。「dorj」の定価が¥1,000ですから、amazonへの納入価格は¥600。結果的に費用をペイするには80部。これには製作費諸々が含まれていないので、厳密には100部程度売れないとペイできないでしょう。この数字は結構重い。なぜって、即売会である程度行きわたった上でプラスオンの数字ですから。あと、こうしてamazonで委託サービスするのと、売れるのとは全く別の話です。売るためにはいかにアテンションを集めるか、ミニコミ自体の質をいかに上げるのかという事をよく考えなければならないと思います。
これらの問題をすべて解決できるのは、つまり村上龍です。
先日村上龍電子出版社を立ち上げて話題になりましたが、彼ほど知名度があって、かつ自分で原稿がかけ、それを編集する人間がその気になれば紙の本においても直販モデルを構築でき、かつそれなりに成果を出すことができるのではないでしょうか。それができない我々にとってはamazonでミニコミ委託販売というというのは不可能ではないが、それでペイするのはそれなりに難しいと言わざるを得ないでしょう。逆にいうとそうした道が誰にとっても開かれているamazonというのはそれなりに素晴らしいのではないでしょうか。

結論としては・・・買ってね! ということです。 

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