古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

遊牧少女ミフユ


(番組、はじまる)


<ナレーション> あなたは“ノマドワーカー”をご存じだろうか。“ノマド”とは遊牧民。街に生きる遊牧民はオアシスの場所を熟知しなければならない。
ミフユ:わたし、遊牧少女!日本のみんなに遊牧民の素晴らしさを伝える為にモンゴルからやってきたの。「電源が使える席が何席で・・」みたいな情報はネット上にいっぱい出回ってるんですよ。それを参考に検索して、外出先で見つけていくとか、うん。
<ナレーション> それには直感も必要だ。
ミフユ:(カフェで)すいません。Wi-Fiって、ここ通ってますか?(店員「はい」)通ってるんですか、ラッキー。カフェがもうひとつ増えました、Wi-Fi完備の。やったー、ホント最高ですね。こういうね…もうどんどんやってほしい。モンゴルにはWi-Fiないですからね。
<ナレーション> 遊牧少女ミフユ、32歳。組織に属さないその肩書きは、たった一言フリーランス。2年前までモンゴルの一流企業グループ(ASAグループ)に勤めていた。ASAグループのオフィスには自分のデスクとドルゴルスレンギーン・ダグワドルジの肖像画があった。今は時に転々とカフェなどを仕事場にしながら、複数の企業を相手に働いている。そんな職業のあり方をノマドワーカーと呼ぶらしい。
ミフユ:どこまで自由に生きられるかという、人生をかけた一大実験ですから。
<ナレーション> 営業などしないのに、多彩な仕事が舞い込んでくる不思議。
ミフユ:(何屋さんなんですか?の問いに)何屋って決めたくないんですよね。職業は“遊牧少女ミフユ”っていう…自分の名前で仕事をするっていうのが、わたしのとっている最高の完成形ですね。


(1年後)


<ナレーション> あなたは“ギルドワーカー”をご存じだろうか。“ギルド”とは組合。街に生きるギルドの人々はオアシスの場所を熟知しなければならない。去年取材した“ノマド”はその後、起業したという。彼女を再び取材した。
ミフユ:わたし、遊牧少女!日本のみんなに遊牧民の素晴らしさを伝える為にモンゴルからやってきたの。『例えば、「はてな」と言うブログサイトをご存じでしょうか。ここで原稿を書いてもらうライターを見つけると、驚くほど安い値段でニュースサイトのコンテンツを制作できたりします。』みたいな情報はネット上にいっぱい出回ってるんですよ。それを参考に検索して、外出先で見つけていくとか、うん。
<ナレーション> それには直感も必要だ。
ミフユ:(カフェで)すいません。このライターって100円で「童貞が恋したくなる10の方法」って原稿書いてくれるんですか?(SKYPEで会話するライター「はい」)書いてくれるんですか、ラッキー。手ごまがもうひとつ増えました、単価10円の。やったー、ホント最高ですね。こういうね…もうどんどんやってほしい。
<ナレーション> 遊牧少女ミフユ、33歳。組織に属さない彼女が1年前、会社を作った。「我々のようなフリーランスが自衛するための“ギルド”」なんです。時に転々とカフェなどを仕事場にしていた昔の自分。フリーランスが何人か集まって、起業、複数の企業を相手に働いている。そんな職業のあり方をギルドワーカーと呼ぶらしい。
ミフユ:どこまで自由に生きられるかという、人生をかけた一大実験ですから。
<ナレーション> Pouchから声がかかった。炎上マーケティングをやりたいのだという。
ミフユ:一人でおさまって仕事をすることに、私なりに危機感を抱いたということはあるんですよ。ギルドというのは1人では完結できない。それぞれの体力とか人足を持ち寄って、プロジェクトベースで集まって、作業が終わればまた解散していく。
<ナレーション>スマートフォンを起動して、1件100円で他人に仕事を振る。ものの30分でニュースサイトの記事が2本できた。


(1年後)


<ナレーション> あなたは“フリーワーカー”をご存じだろうか。“フリーワーカー”とはフリーランス・ワーカーのこと。起業に失敗した「彼女」はこの新しい働き方を模索しているという。
ミフユ:わたし、遊牧少女!日本のみんなに遊牧民の素晴らしさを伝える為にモンゴルからやってきたの。「あそこの派遣は融通が効く・・」みたいな情報はネット上にいっぱい出回ってるんですよ。それを参考に検索して、外出先で見つけていくとか、うん。
<ナレーション> それには直感も必要だ。
ミフユ:(ネットカフェで)すいません。ここってソフトクリーム食べ放題、なんですか?(店員「はい」)ラッキー。カフェがもうひとつ増えました、ソフトクリーム完備の。やったー、ホント最高ですね。こういうね…もうどんどんやってほしい。
<ナレーション> 遊牧少女ミフユ、34歳。組織に属さないその肩書きは、たった一言フリーランス。今は時に転々と仕事場を変えながら、複数の企業を相手に働いている。そんな職業のあり方をフリーワーカーと呼ぶらしい。
ミフユ:どこまで自由に生きられるかという、人生をかけた一大実験ですから。
<ナレーション> 上司の顔色をうかがう必要も、同僚に気がねする必要もない。フリーワーカーはマイペースだ。仕事はバイトルドットコムを通じて舞い込むらしい。「とにかく稼ぎたい」そうつぶやけば、3時間後にはもうフレコンバックの洗浄業務の打診があった。
ミフユ:(知らない人と会うのに抵抗は?に)ないなあ、全然ないです。めちゃくちゃ普通ですよ、そもそも日本語が通じる現場に行くことがないし。


(1年後)


遊牧少女は、彼女に目をかけていた女たらしの業界人と結婚した、と風のうわさで聞いた。

※当記事はフィクションです。

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奇刊クリルタイ増刊「dorj」Vol.3

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参考:
http://togetter.com/li/288880
http://coziest.net/?p=71