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古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

非モテ論壇より一言。

DT

新進気鋭のアルファブロガーid:amamako氏からクリルタイに関して名指しでコメントをいただいたので回答しておきたいと思います。
http://d.hatena.ne.jp/amamako/20120615/1339729240

いやーしかし、一応この問題に関して触れるなら読んどかなきゃと思って同人誌棚からクリルタイ引き出して読んだけどホント糞だわー。
https://twitter.com/amamako/status/213468445067575297

まずは、わざわざ弊誌を拝読いただき誠にありがとうございます。どのような感想にせよ、弊誌について感想を持っていただき、それを言及していただける、という事は大変光栄であると感じております。欲を言えば、どう「糞」なのか詳細を教えていただけると幸いです。
ブログ「斜め上から目線」の1ファンからすると、今回のエントリは非常に悲しかった。私の事が名指しで非難されているからではない。そのエントリの内容が非常に稚拙だからです。

  • そもそも、非モテ解釈についての矛盾点

id:amamako氏は上記エントリにて、私を名指しして、「有害物」だとおっしゃっています。では、なぜ有害なのかというと、「クリルタイ4.0」の序文を引用して、

奇刊クリルタイ4.0

奇刊クリルタイ4.0

つまり「人々がその言葉について好き勝手言える」ものなら、彼らはなんでも良かったのだ。
(以降の引用も含めエントリ「何も終わっちゃいねえ!何も!言葉だけじゃ終わらねえんだよ!」より引用)

つまり、我々が非モテを置きかえ可能なマクガフィンだかマクガイバーだかとして扱っていると批判し、我々のような人間は流行りの言葉に飛びついて飽きたら次の言葉について言及して、という事をやっているからダメなんだ、という事をおっしゃっています。ですが、次のセンテンスにて、

ある者は「脱オタ」「ナンパ術」などの勉強をし、異物としての自己をなんとか「モテ」に適合させようとするかもしれない。あるいは「二次元恋愛」「宗教」などによって、モテの代替物を見つけようとするだろう。また別のものは、「自分がモテないのは女どものせいだ」と主張し、ミソジニーに走るかもしれない。しかしいずれにせよ、それらの論はすべて異物としての自己を見つめ、そこを出発点として考える、まさしく実存的問題なのである。

と書いています。これってつまり、人によって興味関心が違う、それぞれが自分の好き勝手なことを言っていたという、『クリルタイ4.0』のインタビューや座談会で再三繰り返し指摘したことそのものです。で、それを冒険野郎だと罵るなら、それはそのまま、id:amamako氏が批判する非モテそのものなのではないのでしょうか。つまり、id:amamako氏の非モテ定義自体が、氏が批判するマクガフィンそのものなのではないのでしょうか。

続けて、id:amamako氏は2008年におこった秋葉原事件と関連づけて、秋葉原事件の容疑者・加藤智大について言及しない非モテ論はダメだという、ビートたけしを批判する不破哲三のような事を言いだします*1
id:amamako氏自身、

もちろん、安易に事件を利用することは避けるべきだ。

とおっしゃりながら、続くパラグラフでは

非モテはモテによって苦しめられている。故に非モテ非モテロによってモテに一撃を与えるべきだ」という言葉は、まさしくこれまで「非モテ論」が散々繰り返し、そして、僕がまさしく世界よ、もっとウインプ達の憎しみで満たされろという檄文によって示した言葉だったのだ。そして「K」は、その言葉を成就するが如く、あの惨劇を起こしたのである。そんな問題を、切断処理して解消して良い訳がない!

とおっしゃっています。どんだけ安易なんだよ、と嫌みの一つも言いたくなります。社会に接続しない非モテ論はクソだという理屈自体、私は大嫌いですがここではそれは置いておきます。ですが、そもそも、秋葉原事件ってそういう「非モテ問題」が原因でおこった事件なんでしょうか。

ちょうど先日、秋葉原事件の裁判について控訴審の記事が出ていましたので引用します。

1審判決は動機について「携帯サイトの掲示板の嫌がらせをやめさせたいという意思を伝えるためだが、著しく身勝手で同情はできない」と指摘。
(毎日新聞2012年6月4日「秋葉原殺傷事件:控訴審、弁護側が死刑回避を主張」より引用)

一体このどこに「非モテ問題」が取り上げられているのでしょうか。それとも、裁判官すら知らない「真の動機」として「非モテ問題」がどこかにあるのでしょうか。id:amamako氏は非モテ論壇が秋葉原事件について言及しないのは切断処理だとか、道徳論だとかそれこそ「非モテ論壇」的な言い回しで批判していますが、単に加藤智大の動機については、事件当時より色々な事が言われており、単純な「非モテ問題」「非正規雇用問題」として片づける事が危険だからこそ、「論壇」の誰もがそういう事を語らなかっただけなのではないのでしょうか。蛇足ですが、id:amamako氏と同じく彼のことを「K」と呼び、彼の犯行を非モテのせいにした人に三浦展という人がいます。

非モテ!―男性受難の時代 (文春新書)

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追記1(2012/6/19)
こちらの記事を見ると、裁判では加藤智大は「非モテ問題」を「ネタ」だったと証言しているそうです。「真の動機」として非モテ問題があるのかもしれませんが(そんなことは本人じゃないとわからない)、少なくとも本人の証言としてはこう証言しているという事を前提として語ってほしいとは思います。

  • 最後に

当該のエントリで一番残念だったのは私、ないしクリルタイを批判するのに、

吉田アミ加野瀬未友といったライター連中と結託して「非モテ論」のヘゲモニーを独占していたことこそが、「非モテ問題」を陳腐な取るに足らない問題だと錯覚させてきたとさえ言えるのだ。

なんていう妄想上の人間関係の話を持ち出した事です(id:amamako氏が何らかの形での証拠をお持ちでしたら提示してください)。そもそも「職業ライターとして自らの文章をマネタイズ(笑)」なんてできてないし、できてりゃこんなことしてないよと言いたいです。むしろ仕事紹介してくれよと。

  • 追記2(2012/6/19)

id:amamako氏から返答をいただきました。自分としてはクリルタイが糞な理由について丁寧に解説していただいたので非常に満足でした。ありがとうございます(といってもそれを聞きいれるかどうかは別の話ですが)。ですが、インタビューについての考え方は180度違っており、受け入れるつもりはありません。私はインタビューは議論ではないと思ってます。

正直言って、自分たち(奇刊クリルタイのメンバー)は「非モテ論壇」というフィールドないし、自分たちの同人誌自体を使って友人なり、ネットでやりとりする人なりを作ることができるのであれば、それで構わないと思っています。マッドチェスターにおけるハシエンダのようなものです。というか、それが各人によって個別化された実存的非モテ問題を解決するための方策の一つであると考え、それを実践するための場がクリルタイであったわけです。それで救われた人がいるのかどうか、ということは正直わかりませんが、そういう人が例え一人でもいればそれは成功だと自分は思っています。


あと、返答に関して、若干論旨が曖昧になっていると思いますので、このエントリ中で私がid:amamako氏に提示した質問事項を改めて提示させていただきます。

1:クリルタイが「糞」な理由→回答済


2:id:amamako氏の「非モテ」定義によると、氏がまさに批判するマクガフィンではないか→実存がどうとかいう問題以前に「「非モテ」について当時、各人勝手に問題設定をして語っていた」という理解でいいのか回答(できればYesかNOで)ください


3:秋葉原事件の犯人・加藤智大は本当に「非モテ問題」が原因で事件を起こしたのかどうか。起こしたということであればその根拠となるURLなり書籍を提示してください(「掲示板の書き込みがあったから」というオチはなしの方向でお願いします)


4:id:amamako氏は「「非モテ問題」は原理的に他者と共有できない(他者と共有できないからこそそれは「実存」なのだから)もの」だと定義されていますが、秋葉原事件に限っては「「ネタ」の共有は既になされていたわけです。とするならば、少なくともその「共有」していたネタについては、それがなんでKを思いとどまらせることが出来なかったかということについて、言及すべきじゃないんですか。」という事になる理由を教えてください。結局共有できるんでしょうかできないんでしょうか。また、それにコメントしない事がなぜ「非モテ論壇の罪」という事になるのかも合わせてご教示ください。


5:「吉田アミ加野瀬未友といったライター連中と結託して「非モテ論」のヘゲモニーを独占していたことこそが、「非モテ問題」を陳腐な取るに足らない問題だと錯覚させてきたとさえ言えるのだ。」という記述に関する具体的な根拠。


以上、何卒よろしくお願いいたします。

*1:社会風刺を笑いにしないビートたけし不破哲三が新聞で批判したという。20世紀最大の名著『たけし吠える!』にてこの不破に対するたけしのコメントは非常に秀逸なので必見

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