婚活において「求められる人材」
記事書きました。今回は「婚活する理由」は意外に大事だよという話。古田ラジオの「婚活を攻略するための10の方法」:婚活を始めた人が、なかなか結婚できないワケ (1/3) - Business Media 誠 http://t.co/FPvquuFgGy @bizmakotoさんから
— 古田ラジオ (@republic1963) 2013, 12月 9
ビジネスメディア誠さんの連載第3回「婚活を始めた人が、なかなか結婚できないワケ」が公開されましたので、毎度おなじみのサブノート的エントリを。
今回は、婚活における目的と期限を区切るのが大事だという内容でした。詳しくは「誠」本編を見てほしいのですが、婚活市場で「やる気のある参加者」というのは1.専業主婦志望、2.子供が欲しい人です。他の人はなんとかして自分なりに「婚活する理由=志望動機を探せ!」という事で本編は終わっているのですが、あまりにゲスな内容だったので本編ではカットした内容を。
さて、先にあげた前提が正しいとすると、婚活市場に置いてアクティブな参加者=専業主婦志望の人や子供が欲しい人の需要がある物件、「市場価値が高い人」もおのずと決まってきます。
男性の「求められる人材」
1.年収(世帯年収を1人で稼げるぐらい=年収550万前後)
2.安定した収入が見込める(公務員などのお堅い職業)
女性の「求められる人材」
1.家事能力が高い
2.年齢(MAX30歳前後)
どちらも条件を満たしていてもこれプラス「最低限、普通であること」が求められるので、話しはややこしくなるのですが*1、それはさておき、婚活市場で「市場価値が高い」のは彼らです。
女性でも男性でも「求められる人材」は引く手あまた。以前exciteの原稿でオタク婚活サービス「アエルラ」の社長にインタビューした際も語っていましたが、「ハイスペック限定パーティ*2」には女性の参加者がすぐにうまりますし、女性は30前後というだけで、「血液年齢は40代な55歳男性」から「40代バツイチ浅黒趣味サーフィンで飲食店経営」「40代無職」「30代のグローバル企業勤務」までありとあらゆる年齢層からお誘いのメールが来ます。
お見合いパーティで「市場価値が低い」のは彼らの逆。つまり、
男性の「求められない材」
1.年収が低い(目安は30代400万以下)
2.非正規雇用など、安定した雇用が見込めない
女性の「求められない人材」
1.家事能力が低い
2.年齢が高い(35歳以上)
さてこれで、「男は顔しかみてない、女は金目当ての奴ばかり」という、2ちゃんねるのまとめサイトからやリベラル、保守派の皆様まで蛇蠍のごとく嫌われる「婚活市場」が完成しました。
ですが、この手の「男は顔しかみてない、女は金目当ての奴ばかり。男女は心が通じ合ってる人同士で結婚するのが一番」という批判はいかにも正論であるかのように聞こえますが、実際は単なる暴論です。
なぜなら「若者が大企業ばかり志望して中小企業に目を向けない」という「若者の中小企業離れ」批判と同じだからです。自分に置き換えてみれば「トヨタやソニーに入社できるかもしれない」と言われたら普通、ダメもとでも応募するでしょう。万が一内定が出ればラッキー、内定が出なくても自分デメリットはないわけですから。
「心が通じ合ってる云々~」などというおためごかしとは全く別の次元で、「求めている人材」と結婚できる「可能性」がわずかでもある限り、普通の人はそれを「ダメもとで」志望します*3。それを「志望する事すらあきらめろ」というのは無茶というものでしょう(最近、一部婚活論壇でそう言ってる人もいますが)。
本来は、「最初は専業主婦志望だったけど婚活してみて考え方が変わった」とか「子供は産めないけどこの人と結婚することにした」といった具合に上手く希望を軟着陸させるサービスが必要なのだと思うのですが、寡聞にしてそういったサービスが開始された話を聞いたことはありません。
今、国は「少子化対策の一環」として様々な支援事業に乗り出しています。これらは「出会いの機会」という「供給」を増やすことはあっても「志望者を軟着陸させる」という「需要」を上手くコントロールさせるところまで考えが至っていないように感じます。そのような機会を持たない状態で供給のみを増やすことが果たして良いことなのだろうか、と婚活の業界のはじっこにいる人間としてしばし考え込んでしまうのです。