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古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

「幽霊」はなぜ書き続けるのか?―ライターに仕事を頼む人にこそ読んでほしい「ゴーストライター論」―

先日友人に勧められた本について感想がてらにメモ。

本書は、佐村河内守氏のゴーストライター疑惑についてスクープを飛ばしたという人物によるゴーストライター論である。

ゴーストライター論 (平凡社新書)

ゴーストライター論 (平凡社新書)

 

といってもこの本では蒼天航路陳宮こと新垣隆氏の話は序盤でさらっと触れられた程度で、実質的には出版界におけるゴーストライティング(本書の呼び名で言うならチームライティング)の仕事についての記述がほとんど。

そして、その中身が抜群に面白いのだ。

IT企業社長の著作(ホリエモン?)や、2013年に講談社+α新書で発売された「新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由」や、ピアニスト辻井伸行の母親の著作、矢沢永吉の『成りあがり』などなど、豊富な事例をもとに、ゴーストライティングとは何か、という事について詳細に記述がなされていく。

みな、薄々勘付いているとおり、世にあまたあるタレント本やビジネス書の類がみな「著者自身が書いた」わけはなく、その背後には取材・構成を担当したライターたちがいる。本書はそんなゴーストライティングの世界について書いた本なので、ライター志望の方や、今ライターをしている人にとっては非常に面白く読める本なのではないだろうか。

だが、問題は本書の帯にある通り『「幽霊」はなぜ書き続けるのか?』ということなのだ。本書において、「幽霊が書き続ける理由」について明確に書かれていた。それによると、

・他人の主観(人格)になり替わって文章を書く楽しみ

・著者(取材対象者)本人すら自覚していない人格を掘り起こせること

にあるのだという。

もちろん、こうした作業を経て作品が大ヒット、時代を象徴するような本になれば言うまでもない(その例として挙げられていたのが『成り上がり』である)。

だが、この部分は読んでいて、かなりハッとさせられた。

自分も記名・無記名でいろいろな記事を書いてきたし、「なんでこんな仕事つづけてんの(意訳)」と聞かれたことも一度や二度ではない。

で、自分が記事を書く理由としてはいろいろとあるのだが、これはかなり簡潔・かつ的確にまとまっているように感じた。確かに自分に問いかけてみてもかなり納得感がある。だからこそ自分は、「ゴーストライター時代」になり、ライターに接する機会のある人は今後増えていくであろう、普段ライターに仕事を頼むような人にこそ、一度読んでみてほしいと思う。そして、どう思うか聞いてみたい。

 

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)