Fuji Rock Frestival'07の振り返り
今年はライブ会場でぎゃぎゃー言ってた以外はほぼ一言も声を発しませんでした。誰にも会わず、会話も交わさず、文字通りオレンジコートの石ころと同化していました。おかげでハードカバーの本が一冊読めたよ。
まずは相変わらずの様子ですが、もう相変わらず越後湯沢からのバスが1時間待ちでした。今年なんか、会場から越後湯沢駅に向うバスも1時間以上待ちました。徹夜明け朝5時にこれはキツい。
んで、グリーンステージとか行くと相変わらずZ・A・K・IことZAKI*1みたいな司会者が相変わらずなお約束感。そんな07年のフジロックです。
ちゅうことで1日目。
・小谷美紗子すげーよかったー。小谷女史自体はなんかお団子みたいなかんじだっけど、やってる曲はなんだか情念みたいなものが見えて凄くよかった。
・akikoは今回、akiko / Moreno-Domenico-Kassin+2での登場ということで、「Vida」の曲はそんなにやりませんでした。「Brazil」とか「Breathing Life」とか聞きたかったなぁ。とはいえ、akiko女史自体は声に艶があってすごくよかった。
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・オーシャンカラーシーンはジャッジできるほどみてないし。
・ミューズ。最強すぎる。楽曲の完成度といい、パフォーマンスといい。入場後いきなり「Knights Of Cydonia」でうわぁぁぁぁあぁん!!!ってなって、その後も「Supermassisve Black Hole」等々最新作をメインに据えながらも久作の曲も盛り込みまでほぼ文句なしのラインナップ(そういや「Hyper Music」やってないような・・・)あの有機的な人工物の美しさを極限まで推し進めたサウンドはヤバ過ぎる。
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・キュアーに号泣。来ていだいてありがとうございました。つうかもう技巧がどうとか、そういう問題ではないような気がする。Boys Don't Cry!!
もち豚がうまい。もち豚、もち豚ー
2日目。
・The Bird And The Beeはすげーよかった。ポップスとしての完成度が凄いし、ガーリーの中にてんこ盛りの悪意が!
・Kula shakerかっちょよすぎる。やっぱり、いかにもブリットポップ的なスケールが大きくかつ明るくて軽い楽曲上手くて、実際「HeyDude」とか「Hush」とかはそうなんだけど、Kulashakerの場合、インド風の曲もあって、カレー風味のKulashakerを堪能。
「Strangefolk」→「Song Of Love/Narayana」の流れに悶絶。
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・カイザーチーフスはよくわからんな。
・イギーこわいよぅ。凄い筋肉だー
・アッシュ見ようとして腹が痛くなる。
・BoomBoomSatellites。俺はリアルタイムに彼らの作品に触れ、ライブに参加できることを誇りに思う。
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・ジャスティス。人多すぎー
もち豚うまい。もち豚、もち豚ー。
*1:ZAKIこそ国政に!!
なぜ脱「オタ」なのか
フジロック後の逝っちゃった脳味噌(ほとんど寝てません)で考えた事。
脱オタクの定義はっていうと、
オタクである状態を脱すること。
ただしこの言葉には若干の定義の混乱があり、「オタクに特有の拙劣なコミュニケーションスキルを改善すること。必ずしもオタク趣味を捨てる必要はない」という意味で用いる者と、単に「オタク趣味を捨てること」という意味で用いる者とが混在しているので、注意が必要である。
脱オタとは - はてなキーワード
私もよく思うところではあるんですが、「オタクに特有の拙劣なコミュニケーションスキルを改善すること。」とあるんですが、「稚拙な『コミュニケーションスキル』」の人間というのは何もオタクだけに限った事ではありません(主な代表例は、はてなid:republic1963を参照せよ)。それなのに、なぜ、オタク(ここでの用法は「アニメやゲームが大好きな人」という意味)の「コミュニケーションスキル」や「ファッション」、「ライフスタイル」だけがことさら問題とされるのでしょうか?
ここでは「オタク論壇の既得権確保のため」という回答はおいておいて、なぜかという事をわりと考えてみると、要するにオタク産業=アニメ・ゲームなどが高度にメディアミックスされてるからなんじゃないの?と思ったわけです。
つまり、音楽ファン(笑)がいくら音楽好きだからといって、それにともなってテレビは「Beat UK」ばかり見ているわけではありません。「クリエイションレコード物語」みたいなのばっかり読んでるわけでもない*1。みんながみんなフジロックに行き、社会問題を考え、Save下北沢で安倍政権打倒なわけでもない。音楽ファン(笑)の本棚には意外と「恋空」あたりが置いてある可能性もあります。そういう人と私は極力お近づきなりたくはないけれど、可能性としてはありうるし、そういう多様性が意外と面白いと思っています。
まぁこれは、音楽というのがあんまりメディアミックスされているメディアではないというのと、ジャンル自体が死ぬほど細かく細分化されているという理由から来るのですが、それはともかく、では、アニメはというと小説なり、音楽なり近接するそれぞれのジャンルに「オタクっぽいもの」が準備されています。音楽でも偽ケルトの人たち(Sound Horizonとか)とか坂本なんとかとかいるでしょ。
これは要するに高度にメディアミックスされた「オタク文化」が他の「サブカルチャー」を完全制圧したということ(儲からなければだれもメディアミックスなんかしないだろうから)に他ならない訳で、まぁ喜ぶべき事なんでしょう*2、ただしそれが個人の適応の問題となるとこれはまったく別の話ではないのでしょうか。
もちろん、オタクだけどドルッティ・コラムとか聴いてるよという人も当然いると思います。
でも、オタクだからやっぱりi-podにはSound Horizonが入っていて、ブックカバーの下にはアニメ調のライトノベルがあるという「典型的オタクライフスタイル」が成立する可能性は「典型的音楽ファンライフスタイル」が成立する可能性よりもずっと高いわけです。この「典型的オタクライフスタイル」が果たして問題なのかどうかというのはよくわからないというかそれこそ「オタク論壇」の中で決めていただきたいのですが、それでも、趣味が一つというのは話題が一つということであり、一般的な考えとしてちょっと危ないんじゃないかという気はします。
こうして「アニオタデブニート童貞*3」が今日も大量生産されます。そして彼らに売るためのサプリメントとして「脱オタク」は今日もお近くのブログ論壇にて好評発売中になるわけです。