古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

トリック劇場版2に見るオタク・イズ・デッド

昨日、ワールドカップもほっといてトリック劇場版2見に行ってきました。
で、本編…に行く前に全く関係ないんだけど、是非書いときたい感想を2つほど。
・相変わらず「貧乳・不細工キャラ」だった仲間由紀恵に尊敬の念。一応トップクラスの売れっ子なんですよね?
・主題歌が鬼束じゃないトリックにはやっぱり違和感がありまくる。っていうか認められんとすら思う。

はい、ここから本論です。
いや〜面白かったですよ。トリック。これで最後らしいのが非常に残念に思います。小ネタの入れ方も相変わらずのセンスで、こう、ぎゃははは!となるわけではないんだけど、細かい所でニヤリとするような感じでした。例えば、仲間由紀恵の母親(野際陽子)が市長選に出るんだけど、その対抗馬というのが、志茂田影樹だったり、Mr.オクレだったり。大仁田厚が本人役で出てきてそこに「涙のカリスマだぁ〜」みたいな子供達の声が入ったり。ワンピースネタだったり、そんなニヤリとするような小ネタが満載されていました。


ところで、この「ニヤリとする」というのはどういうことなんでしょうか。当然ですが、「オースティンパワーズ」なんかの笑いとは明らかに異質なわけです。オースティンパワーズの笑いっていうのは一言で言うと「とりあえずチンポ出しとけ」っていう笑いなんですよ。で、トリックなんかでやられているのは、知識の量を問うている笑いなんですよね。例えばあるセリフやカットに対して、Mr.オクレだな、これは志茂田影樹が昔選挙かなんかに立候補してたからなんだな、これはワンピースだなという前提の知識がないと面白くない。


こういう知識の量を問うような笑いっていうのはオタクとか、いわゆるマニアック方面の人間特有のものだとおもうんですよ。何が言いたいかって言うと、そういう小ネタが売りみたいな作品がこうして何度も続編が作られたり、映画化されたりしてるわけでしょう。で、観客として来ていたふつーの女性客とか、カップルとかがああいうマニアックな笑いが面白いって言っているわけなんだよなぁと思ったわけです。実はこれは先日「下妻物語」を見ても思った事なんですが、下妻物語とか、トリックみたいな見せ方をする作品がある程度メジャーヒットができるぐらいには受け入れられているんですよね。


これは恐らく、オタクの拡散と濃度の低下によるものでしょう*1。つまり、オタクフレーバーが世間一般の人たちが摂取しても問題ないくらい拡散して薄くなったことによって、「オタク」という民族が保つアイデンティティがなくなってしまったという事を王様が泣きながら訴えたのが「オタク・イズ・デッド」だと思うんですが、オタクフレーバーが拡散したおかげで生まれてくるものもあるんじゃないかと。それが一体何なのか、それが滅びつつあるオタクたちにとって資するものかは知らないんだけど。私がいうのも何なんだけど、まぁオタク死んでもそんなに心配しなくてもいいんじゃないすかね。

*1:インスパイヤ元:http://d.hatena.ne.jp/wetfootdog/20060602/p1