古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

理論武装に笑顔は不可欠ね(2006年の渋谷系)

2007年度版・現代用語の基礎知識にて「ネオ渋谷系」なる単語が収録されるそうです。私も始めて知りました。でも、はてな村一のおしゃれ系音楽ブログを目指してどんどんと天狗になっていきたい当ブログの事、当然こういう話題には絡んでいきます。


さて、ネオ渋谷系ってどんな意味かといいますと、

フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイブに代表される、90年代ポップミュージックのワンジャンル「渋谷系」だが、00年代に入り、渋谷系的価値観影響下にある若いアーティストが多数生まれ、ひとつのムーブメントとなっている。代表的なバンドにテトラプルトラップ、プラスティック・スクイーズ・ボックス、エイプリルズ、capsule等。またピチカート・ファイブの再リリース、小沢健二の新譜など、元祖渋谷系アーティストの再始動もあり、都内では「クラブ渋谷系」「王子様ナイト(小沢健二ナイト)」等、渋谷系をテーマにしたイベントが多数行われ、リアルタイム世代と若い世代がクロスオーヴァーしながら盛り上がっている。

同シーンを音楽雑誌「MARQUEE」では「フューチャー・ポップ」と命名しているが、エレクトロ/近未来感を前面に打ち出しており、方向性は微妙に異なる。

との事。具体的なアーティスト名については、
http://www.geocities.jp/radiodaze76/BTkkk.htm
こちらを参考にしていただけるとよいかと思います*1。なにぶん、3年前の原稿ですので、少し古くなっているかもしれませんが。

ところで、根本的な問題として渋谷系とは一体何なんでしょうか?例えばマッドチェスターなり、ブリットポップなりというのは音楽的、アーティスト的な共通点があります。しかし、渋谷系にはそういったものは希薄です。つまり渋谷系というのは気分ないし雰囲気の表明であって、別に特定の音楽ジャンルを指したものではないと思います。であるなら、ネオ渋谷系もまた雰囲気ないし気分の表明なのではないのでしょうか?
ではどんな気分?私にはそれがよくわかりません。
それでもネオ渋谷系という音楽ジャンルがあるとしたら、それはフリッパーズギターピチカートファイブみたいな代表的なアーティストのフォロアーとして扱うべきでしょう。

  • フューチャーポップという気分

http://www.marquee-mag.com/

MARQUEE vol.53 マーキー53号

MARQUEE vol.53 マーキー53号


(なぜか安藤裕子
さて、ネオ渋谷系を取り上げるにあたって絶対に避けて通れない雑誌が「MARQUEE」であることは論を待たないところであろうかと思うのですが(毎号立ち読みしてます)、「ネオ渋谷系」とマーキーなんかで取り上げられている「フューチャーポップ」とはちょっと違うとの事。
多分あんまり読む人も少ないと思うので、「MARQUEE」がどんな雑誌か紹介しますと、Nirgilisとか須永辰緒とかJazztronikとかFreeTEMPOとかParis Matchとかが出てて私としたら喜んで読むわけですよ。かと思えばフルカワミキcapsuleトルネード竜巻木村カエラなんかを挙げつつ、太田莉菜とか栗山千明なんかのガーリーなグラビアで天狗を元気にさせようとしてくる。で、唐突にシューゲイザー特集とかして意味わからんわ!っていう雑誌です。
しかし、面白いのはトミーフェブラリーはよくてbirdやボニーピンクはダメ、ArtSchoolはよくてZAZENやサンボマスターはダメという妙な基準があるところ。どっちでも一緒じゃん!
ただし、こういう「気分」はとてもよくわかります。
つまり、ジャンルとかそういうものにとらわれない、「ロックとは?」とかそういうものに囚われない、自分達の好きなものを取り上げようとする態度、いわゆる「ガーリー」という言葉の持つ気持ち悪さについてあまりにも無自覚なそれは、ある意味恥知らずな感覚といえます。例えば「ロックンローラー」として自己を規定している音楽ファンは例えわからなくてもエレクトロにかとかパンクとかアンチブッシュとかサウンドデモとかそういうものを肯定していく必要があって、例え自分のi-Podの中にエフィックス・ツインではなく大塚愛が入っていたとしてもそれを何とかして隠していかなくてはいけません。ロッキンオンジャパンあたりの正統音楽評論雑誌がそういう人たちを先導していっているわけですが、「MARQUEE」にはそれはありません。恥の感覚の欠落したそれは、正統音楽評論から零れ落ちた、例えば上戸彩の音楽性なんていう苦笑以外の何者でもないテーマすら取り上げようとします。


それは渋谷系のオタク化と呼べるものなのかもしれません。つまり2006年の渋谷は秋葉原になった、と。


ここからは適当な自分語りなので読み飛ばしていただきたいのですが、しかし、私が個人的に腹立つのが、なんでこの文脈でCymbalsを取り上げないんだばかやろう!!というところです。*2

誰もが私の顔を見たいのね
(お宅のテレビの受信料をお確かめ下さい)
誰もが私の唄を聴きたいのだわ
(お近くのレコード店にて発売中です)
彼女は流行の波に乗って現われ
夢のように消え去っていく


Cymbals「Show Business」

ポップでキュートな印象なんですよ。そとっつらだけを見ていると。女ボーカルだし、ポップソングだし。


だけど、このクソ小生意気な歌詞!!


Cymbalsっていうか沖井礼二のシニカルさは個人的には結構影響うけてるっていうか、憧れてる。あの飄々とした感じに(気持ち悪いなぁ)。私は常々、「Cymbalsだけはガチ*3」というのを主張しているのですが、まぁ皆さんcapsulePerfumeだってきゅんきゅんしていらっしゃる訳でしょう。やっぱボーカルがおばさんだからね・・・。ううう…。

*1:http://www.geocities.jp/radiodaze76/ 私の脳内の渋谷系情報のほとんどがこのサイトからのものです

*2:CymbalsのベストアルバムのライナーはMAQUEEの編集長が書いているというのに・・・

*3:全日だけはガチ