古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

オーマイニュースとは結局のところ何だったのか

またまたオーマイの話で恐縮です。すいませんね、しつこくて。ついでに物凄く長くなってしまいました。すいません。
で、先日も少し書いたのですが、トニオ氏の一連の一件に関連してオーマイ編集部にインタビューに行かれた方がいらっしゃいます。
http://yaplog.jp/parsleymood/archive/481
http://yaplog.jp/parsleymood/archive/482

parsleyさん、ご苦労様でした。そしてありがとうございます。
さて、その中でかなり面白い内容が散見されておりますので、ご報告いたします。


1:音羽理史氏=トニオ氏=id: gerling氏であるという事実を編集部員は知らなかった可能性がある。
→平野氏は質問に対して微妙にはぐらかしているのでなんとも言えないのですが、オーマイ編集部の他の人の話によると、「トニオ氏の他のブログへのコメントは読んでいるが、トニオ氏のブログ(Death To The Apple Gerls)は読んでいない」ということらしい。確かにそうするとまぁ腑におちるところではあります。


2:オーマイに載った記事はあくまで記者の意見なのでオーマイニュースは責任は取らない
→これ要するに自殺宣言なんじゃないかと思うんですが・・・詳細は後ほど


3:一部で出ていた「オーマイマッチメーカー説」もしくは「PV稼ぎのために鉄砲玉として利用した」という事はない。
→こんなこと認めるわけないとは思いますが、個人的にはそこまでオーマイ編集部は頭良くないと思っています


4:オーマイ編集部は「誰が書いたか」ではなく「何を書いたか」で判断する。つまり、オーマイ編集部外での活動について何をやってもいい、オーマイに投稿した記事の内容のみで判断する。
→今回一番カチンときたくだり。とんでもない詭弁です。


5:音羽理史氏=トニオ氏は今後も頑張って記者活動を続けて欲しい
→よかったね!


さて、オーマイの基本スタンスというのが大体わかってきたと思うのですが、それは
「オーマイ編集部が関与するのはオーマイの中だけ。その外の事は関知しないし、調査もしたくない、責任は当然取らない」
という事です。いいたい事を要するに一言で言うと、ネットの中で鎖国しますよ、という事です。これは意見としてはそれなりに「あり」だと思います。
とすると、当時の江戸幕府が海外事情に全く疎かったのと同様、オーマイ編集部がネット界の動きにあまりにも疎いのにも頷けます。だって、鎖国してるんだから。だれか出島になってあげるといいかもしれないですね。で、出島からいろいろ習俗を教えてあげたり。「ほほぅ、南蛮では今fjというものが流行っておるのかのぅ」なんて平野さんが言ったりして。
ここで思い出していただきたいのは、オーマイの利用規約です。

第13条(市民記者の責任)

1.市民記者は、投稿記事が他人の名誉・信用を毀損せず、第三者の著作権その他の権利を侵害しないこと等、法的に瑕疵のないものであることを保証するものとします。

2.市民記者は、投稿記事の内容および記事から派生した結果につき自ら責任を負うものとします。但し、当該投稿記事に対する当社の編集にもっぱら起因して発生した結果についてはこの限りではなく、当社が責任を負うものとします。

3.万一、投稿記事に関連し、第三者が損害を受けたものとして、当社に対して当該第三者から何らかの請求がなされまたは訴訟が提起された場合、当社は自ら責任をもって当該請求または訴訟に対応します。この場合、市民記者は当社に対して最大限の協力を行っていただきます。

4.前項において、当社が第三者に対して当該請求または訴訟に対応した結果、損害賠償金、和解金を支払う等の損害を被り、または弁護士報酬、訴訟費用その他費用を支出した場合には、市民記者は当社の損害を賠償し、かつ当社が支出した費用を当社に補填するものとします。但し、市民記者に故意または重過失がない限り、この責任は50万円を上限とします。

オーマイの利用規約を抜粋してみました(強調部分は私の手による)。上の鎖国宣言とあいまって大変に香ばしい香りをたたえております。
オーマイのいかりや長助編集長・鳥越俊太郎が折に触れて社会の巨悪に対する内部告発を推奨しているのは皆さんもご存知だと思います。それらを総合して考えると、


「内部告発はしてほしいけど、何か面倒が起こってもオーマイニュースは責任を取りませんよ」


という事になります。だって、実名が割れているんだから個人を訴えればそれで済む話だから。もちろん道義的には責任を取る必要がありますが、規約にオーマイが訴えられた場合の時のみを記している以上、逃げるのは容易。
ましてや、インターネットであれば普通訴訟リスクというよりもネット上での炎上リスク*1の方が遥かに高いと思いますが、それらに対してオーマイ編集部は何も責任を取りません。だって、他のサイトを見てないんですから。
そして、オーマイの原稿料、最大いくらかご存知でしょうか。2000円です。もしトニオ氏のように記者賞を取ったとしても1万円です。つまり一番多く見積もってももらえる報酬は最大1万2千円です。
1万2千円のためにリスクは全て自己責任で内部告発する人間なんているんでしょうか。


さて、当該インタビューの中で平野氏たちは折に触れ、「誰が書いたか」ではなく「何を書いたか」で判断するべきだと主張しています。「ネット界ではみんなそういっている」とも*2。確かに字ずらだけ見ると大変な正論に聞こえます。「誰が書いたか」ではなく「何を書いたか」で判断すべきだというのは私も同意します。というか私はネット云々に関わらない一般論としてそうあるべきだと考えています。ただし、オーマイ編集部のこの言い方は大変な詭弁です。

自分が思っている、「何を書いたか」で判断すべきだというのは、要するに「発言者の社会的地位ではなく発言内容をよく吟味すべき」という話で、社会的肩書きを簡単に偽装可能かつ検証する方法もないネット界でよく言われていることかも知れませんが、その基盤にあるのは「人のいう事を鵜呑みにするな」という小学校の道徳の授業レベルの話だと思っています。
ところが平野氏が言う「何を言っているか」というのは、オーマイ編集部の基本原則に当てはめると、「何を言っているか」はオーマイ内部でのみという留保がつきます。
「誰が書いたか、何を他のサイトで言っているか」ではなく「オーマイで何を言っているか」
これだけが重要だと平野氏は言っています。
この二つは全く別の話で、それを一緒くたに論じているというのは物凄い詭弁であるといえるでしょう。


私も折にふれオーマイニュースについて語ってきましたが、オーマイがこんなにもいろいろと物議をかもしているのは何でなのかよくわからないところではあって、それゆえに私は「わざとやっているのではないか?」と考えていました。
しかし、それは誤りであったようです。つまり全て天然であったようです。天然というのもちょっと違います。
なぜなら、オーマイニュースというのは鎖国期の江戸幕府みたいなものなんだから。江戸幕府の高官達が自分達がおかしいだなんてこれっぽっちも思っていなかったように、彼らも自分達がおかしいなんてこれっぽっちもおもっていないのではないのでしょうか。むしろ、江戸幕府にいちゃもんつけてくるメリケンやおろしや国、エゲレスの方がよっぽどおかしいと思っているのではないのでしょうか。我々がオーマイニュースが奇異というか、言い方は悪いですが、とんでもなく頭が○○な物として映るのは鎖国期の「神秘の国・ニッポン」を見ている外国人のようなものなんでしょうね。当然、まともにコミュニケーションもとりようがない。
あ、でも、オーマイ編集部の人たちは偏差値70以上なんですよね!!

*1:2chでの個人情報暴露他ネットで起こる諸々のトラブルの事を指す

*2:引用:どうして? 僕はその意見に組しないけれど、ネットの世界では「何を言っているか」で判断しろって、皆言っているじゃないですか。