さらば、トニー・ウィルソン
http://www.bounce.com/news/daily.php/11269
http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=16142
言及ブログ
http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20070813/tonywilson
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20070811/p2
トニー・ウィルソンが死んだ。
未だにいまいち現実感がないのだけれど、2006年ごろから心臓病を患っていたということらしい。もっとも、本人としてはようやく自分が「神話」の一部として語られる事になって喜んでいるような気もするけど。
しかし、イアン・カーティスの伝記映画が今年中にも公開され、New Orderが解散する、しない、なんて話が出ているときに逝ってしまうなんて、因果な事だ。
Factoryの創始者の一人であり、シーンにとっても重要な人物である事は間違いないのだが、トニー・ウィルソンといえば、何よりも映画「24Hour Party People」だ。
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セックスピストルズのマンチェスター初ライブの時に来たのが42人、その42人がライブを見たあと、よくわからないまま「何か」をはじめようとする。トニー・ウィルソンにとってのそれがFactroyであり、ハシエンダなんだろうけど、日本公開初日の渋谷の映画館でそれを見たときに私は「ああ、やってもいいんだ」と思ったのを今でも覚えている。別に場所が与えられなければ何かができないわけではなくて、やりたい事(言いたい事)があるならその場でやればいいんだ*1。アマチュアでもいいんだ、ショボくてもいいんだ*2。
そう思ってホームページ作ったりブログ書いたり同人誌作ったりしているっていうのはまぁ対外的な理由付けなんだけど全く嘘ではなくて、ほとんど馬鹿みたいにそれを信じてやっている。
http://www.tbsradio.jp/life/2007/08/part2_5.html
「文化系トークラジオLife」のアツすぎる最新の番外編でもシンクロした話が出ていたのでリンクしておくけど、私自身は「表現者」やら「クリエイター」とやらになることはないのだけれど、何か自分がメディアに影響を受けた時にどんだけしょうもないアウトプットでもいいしゴッコでもいいからやってみるというのはもう2000%同意する。
もちろん「24Hour Party People」っていうのはフィクションであり、神話なのだけれど、熱量というか、「何か」を見せつけれられて、それを馬鹿正直に信じて何かをやろうとするという意味では自分にとってのこの映画、つうかNew Orderやトニー・ウィルソンっていうのはそれこそトニー・ウィルソンにとってのセックスピストルズだったし、仲俣暁生にとってのクラッシュだったし、長谷川裕にとってのストーン・ローゼスだった*3(と思う)。
だからトニー・ウィルソンが死に、New Orderが解散したとしても「何か」をやる意味わかんない人が彼らの後に続いていけばいい。という大いなる勘違いをしたまま、「何か」をやってみればいい。学者やらライターやらが分類してシーンができるんではなくて、「何か」をやる人が集まればそこが「シーン」であり「ムーブメント」なんだ。
歩き去るな―静かに
歩き去るな
Joy Division「Love Will Tear Us Apart」