古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

はてな村博物誌12「BSMS(ブログセキュリティマネジメントシステム)」

天は何も語らず歴史をして語らしむ*1


ブロガー個人がブログを適切に管理し、ブログ閉鎖に追い込まれないための包括的な枠組み。ブログセキュリティ会社のセキュリティ対策だけでなく、ブログ、ソーシャルブックマーク等を使用する際の基本的な方針(セキュリティポリシー)や、それに基づいた具体的な計画、計画の実施・運用、一定期間ごとの方針・計画の見直しまで含めた、トータルなリスクマネジメント体系のことを指す。
日本では、日本ブログ協会がブロガーのBSMSがISO/IEC17799に準拠していることを認証する「BSMS適合性評価制度」を運用している。ここで、「まず、あなた方のサイトのセキュリティの脆弱性を何とかしろよ」という突っ込みをしてしまったブロガーがいたら、BSMS不適合となるので注意が必要。

  • ブログの管理リスク

BSMSにおいて、ブログのを管理していくにあたってのリスクとされているのは以下の通りである。


・炎上リスク(コメントが多数ついてしまい、収集がつかなくなること)
・粘着リスク(ある人に継続的に観察され、何か問題が起こった時に集中砲火を食らうこと(俗に言うヲチ状態))
・ソーシャルハックリスク(ブロガーの個人情報がさらされたり、リアルの生活に支障をきたしてしまうこと)
・ ('A`)リスク(更新がめんどくさくなってブログを放置してしまうリスク)

これらのリスクマネジメントをするためにはどうすればよいのだろうか。

  • BSMS推進のためのリスクマネジメント

このうち、 ('A`)リスク以外のリスクに関しては共通のリスクマネジメント対策がある。それは以下の一点である。


・過去ログをめんどくさがらずできる限り読む


炎上や、粘着や、ソーシャルハックが起こるのはなぜだろうか。
もちろん、自分で犯罪歴を告白したりする自爆型の炎上もありうるが、今回はそれは扱わない。そういった自爆型以外の場合のほとんどは、揉め事を起こしたり、揉め事に首を突っ込んだりするからである。
本来であれば「揉め事には関わらない」が回答としてはふさわしい。
それでもなお、何らかの形で言及しなければならない場合のリスクマネジメントが過去ログである。
つまり、揉め事に対しての最低の首の突っ込み方というのが、
「議論の起こっていること・人に対して半端な知識で言及する事」である。
議論が起こっていて、簡単には決着のつかないこと(例えば、歴史問題や、実名・匿名問題など)に対して不用意に言及する、これはBSMSの推進上、かなり危険な行為である。
だが、それにも増して危険なことがある。それが「人」の問題である。

ネットの世界では「何を言っているか」で判断しろって、皆言っているじゃないですか。


とは一部のインターネットメディア、それも市民メディアとして既存の大手マスコミに対峙してらっしゃる編集長の御言葉である。
しかし、残念な事に私たちはそこまでの境地には未だ至りそうにない。
つまり、例えインターネットの、ハンドルネームであってもある種の「名声ないし評判」とでも呼べるものが発生してしまう、ということだ。私たちは、それが「誰が言ったか」によってそれに対する反応を決めてしまう部分がある。つまり、アルファ的な人たちの発言が多少金の匂いがしたり、それってナポレオン・ヒルの本にも書いてないか?とか思っても、何となく正しそうに思ってしまう。逆に、色々と問題を起こしてきた人の発言が、例えそれが正しかったとしてもそれがその通りに受け取られず、色眼鏡でああだこうだと言われてしまう。これは、インターネットだ、Web2.0だ、フューチャリストだと言っても現実世界と対して変わらないということだ。
ここで問題になるのは、「あなた」が言及、それも賛意を示す人の「名声ないし評判」が低く、そうと知らずに脊髄反射する場合だ。その時点でこちらに落ち度がなくても炎上等のリスクを冒す可能性が高まる。


この項、了

*1:仲谷昇さん追悼