古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

「一億総非モテ時代」に生まれて

2010年国勢調査の抽出速報集計結果によると、日本で最も多い家族形態は「一人暮らし」なのだという。5092万8千世帯いる一般世帯のうち、1人世帯は1588万5千世帯(一般世帯の31.2%)となり、これは2人世帯の1381万9千(27.1%)よりも多い。もちろん、死別もしくは離別等による単身世帯というのもあるだろうが、一方で同統計によると生涯未婚率(「50歳時」の未婚率)は17.2%。まさに、一億総非モテ時代の到来である。
確かに、一人暮らしがそれほど珍しくない、一億総非モテ時代に我々は生きているとして、問題は、我々はどうすればよいのか、ということだ。


この「じゃあ、どうすればいいの?」という問いに対して今、結婚や家族について発言している人々=婚活論壇の人々が主張する「多様な家族のあり方が認められればいいですね」という「家族多元主義」はあまりにも無力だ。なぜなら、「家族多元主義」は建前としてはこれ以上あり得ないぐらい正しいのだが、結局、「いま、ここにいるわたし」はどうすればよいのか、という事に対して全く答えていないからだ。ぶっちゃけ、婚活論壇の人々が主張する「家族多元主義」は、「要するにあなたたちが社会の比較的上流層にいるからそういう事が言えるんですよね?」と言いたくなる場合が非常に多い。だから、そういう人たちにはどうぞAERAあたりでご活躍ください、と爽やかなエールを送ることとしたい。だが、我々は結局のところ、どうすればよいのだろうか。


一つだけ言えることは家族を作るのか、一人でいるのか、なるべく早く決めることだろう。東日本大震災によって明らかにされた通り、一人でいることはそれなりにリスクである。一方で結婚することもそれなりにリスクではある。つまり、どちらがよりよい選択なのかということは蓋を開けてみないとわからない。人生は「実況パワフルプロ野球」のサクセスモードのようなものだ。我々は自分が主人公の一つの巨大なゲームをプレイしているにすぎない。その割に自分が伝説の勇者や世界を救う運命を担っていない事に絶望するわけだが、そう考えると、「婚活」というのも一種のゲームのようなものではないか。だが、そのゲームに乗る事が損か得かは恐らく、そのゲームの主人公が死ぬその瞬間になるまで誰にもわからない。「婚活」という言葉がいみじくも表している通り、「結婚」はすでに「皆が待っていれば自然にもたらされるもの」ではなく「自分から積極的に取りにいかないと獲得できないもの」になりつつあるのだ。っていうかもうすでになっている。
女性が「イケダン獲得競争」をずっと戦ってきたのと同じように、この先、男性もまた「婚活」という自由市場において戦わなければならなくなるのだろう。戦場で戦うためには「モテ」たいとかいってぐだぐだしている暇はない*1し、「自然な出会いが欲しい」と駄々をこねている暇はない。脱オタだろうが自己啓発で性格改造だろうが、必要ならばするしかない。一方で一生一人でいることを決断する事、それも重大で必要な決断である。我々は自分で自分のことを決断しなければならないのだ。それは我々がまさに望んだ事なのかもしれないが同時にそれは我々にとってこの上ない重荷なのかもしれない。

*1:多くの人が誤解しているが、モテと結婚は微妙に意味が違う