ガールポップオタが非ガールポップオタの彼女にガールポップの世界を軽く紹介するための10枚
http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
まあ、どのくらいの数のガールポップオタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らないガールポップの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、アニメのことを紹介するために見せるべき10枚を選んでみたいのだけれど。
(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にガールポップを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、キャッチーなヒット曲のみで構成されたベストアルバムは避けたい。
できれば簡単に手に入るメジャーレーベルのCD、長くてもCD1枚組にとどめたい。
あと、いくらガールポップ的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
音楽好きが森高は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。そういう感じ。
彼女の設定は
ガールポップ知識はいわゆる「モーニング娘。」的なものを除けば、
CDTV初登場20位台程度は聴いている。
サブカル度も低いが、頭はけっこう良い
という条件で*1。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。
- 「GAME」(Perfume)
- アーティスト: Perfume
- 出版社/メーカー: Tokuma Japan Communications =music=
- 発売日: 2008/04/16
- メディア: CD
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まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「中田ヤスタカ以前」を濃縮しきっていて、「中田ヤスタカ以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも1時間ちょっとだし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
- 「Nino」、「APRIL」(Round Table featuring nino)
- アーティスト: ROUND TABLE featuring Nino,北川勝利,伊藤利恵子,ROUND TABLE
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: CD
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- アーティスト: ROUND TABLE featuring Nino
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2003/04/23
- メディア: CD
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アレって典型的な「アニオタが考える、一般人にも受け入れられると鼻息を荒くするアニソン(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。「ガールポップオタクとしてはこの二つは“メロディ”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
ある種のガールポップオタが持ってるキュート女子への憧憬と、渋谷系のオタ的な考証へのこだわりを彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも渋谷系直撃世代的な
「童貞的な構成され尽くしたカッコよさ」を体現するメロディ
「童貞的に好みな女」を体現するボーカル
の二人をはじめとして、ガールポップオタ好きのする要素を曲にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
- 「Coco d'Or Parfait」(Coco d'Or)
- アーティスト: Coco d’Or
- 出版社/メーカー: SONIC GROOVE
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: CD
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たぶんこれを見た彼女は「Speedのhiroだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。この系譜の作品がその後1作しか続いていないこと、これが渋谷のレコード番長須長辰緒プロデュースなこと、意外と真剣にJAZZを歌っていて、しかもクオリティは高く、それがhiroのスタンダードなってもおかしくはなさそうなのに、セールス的にはぱっとしないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
- 「Even So」(Bonnie Pink)
- アーティスト: BONNIE PINK
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/05/12
- メディア: CD
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「やっぱりガールポップは女性のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「Thinking Out Loud」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかけるBonnie Pinkの思いが好きだから。断腸の思いで削りに削ってそれでも47分、っていう尺が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「捨てる」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
「Even So」の短さを俺自身は短いとは思わないし、もうシングル曲入れられないだろうとは思うけれど、一方でこれがあゆ大先生や大塚愛だったらシングル曲2・3曲入れてきっちり1時間にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて47分を作ってしまう、というあたり、どうしても「アルバムトータルの完成度を優先するオタク」としては、たとえBonnie Pinkがそういうキャラでなかったとしても*2、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
- 「MINDTRAVEL」(bird)
- アーティスト: bird,bird&Twigy,大沢伸一
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
- 発売日: 2000/11/22
- メディア: CD
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今の若年層でbird聴いたことのある人は「カバーの人」というイメージだと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
MONDO GROSSOよりも前の段階で、大沢伸一の哲学とかプロデュース技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、こういうクオリティの作品がJ-POPとしてこの時代にかかっていたんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく音楽好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆるkitsuneと仲良しなテクノDJとしてでしか大沢を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。
- Show Business(Cymbals)
- アーティスト: Cymbals,矢野博康,沖井礼二,土岐麻子
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2000/01/21
- メディア: CD
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渋谷系直撃世代の「目」あるいは「シニカルさ」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「かわいくっていじわるな感じのバンド。ただしパンク*3」的な感覚がガールポップオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそCymbalsの解散ライブにおいて「ラストステージに飛び交う「やめないでー」の声援に、「That's Enough! I don't need Cymbals, anymore!(シンバルズなんてもうたくさん!)」とプリントされたTシャツ姿の沖井さんが「強くなれ」とひとこと放った」事*4がこれほどまでにカッコよく感じられるのだと思う。
「キュートなだけでは生きられない」というガールポップオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「ガールポップオタクの気分」の源はCmybalsにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
- More the Vacation!!(Sweet Vacation)
- アーティスト: Sweet Vacation
- 出版社/メーカー: 3d system(DDD)(M)
- 発売日: 2008/04/16
- メディア: CD
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これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうガーリー趣味全開のボーカルをこういうかたちで前面に押し出して、それが非オタに受け入れられるか気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
- 元気ロケッツ I -Heavenly Star-(元気ロケッツ)
- アーティスト: 元気ロケッツ
- 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
- 発売日: 2008/07/02
- メディア: CD
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9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に元気ロケッツを選んだ。Perfumeから始まって元気ロケッツで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、YouTube以降のポップソングの先駆けとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
「駄目だこのrepublic1963は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。
ちなみに、文系キャバクラの提唱者*5としてはこういう童貞力全開の意見に対しては全方位的に肯定(ロキノン的表現)していきたいと考えております。