古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

童貞騎士と名誉女性戦略の失敗

  • 童貞騎士とは何か

最近「女性を尊重しているのに女性からモテない」的な話が何度目かのブームを迎えているようだ。

togetter.com

ta-nishi.hatenablog.com

 

自分としてはこれはフェミニズムとか学校教育といったそこまで大きな話ではなく、基本的に童貞騎士問題のように思える。恐らく、ここで登場する人たちは「女性に裏切られた」「女はやっぱりクズばっか」という情念をもつ童貞暗黒騎士(ダークナイト成宮寛貴ではない。)ではないだろうか*1

童貞暗黒騎士とは、童貞騎士が転生した存在である。

その前に童貞騎士とはなにか。

それは、理想化した女性像を元に騎士道精神あふれる行動をとる人間…いわゆる「いい人」のことである。

d.hatena.ne.jp

 
自分としては、以下のような項目に当てはまる、そんな現代の騎士達の総称であると考えている。
 
・女性を尊重し、尊重しているがゆえに何もしない。
・童貞が女子に不自然なくらい紳士的に気高く接する
・現実世界でちょっと優しくしたら速攻彼女候補入り
・脳内で彼女との妄想シチュエーションを作る
・ちょっとか弱い系(ヤンデレメンヘル文学少女など)女性が好き
 
単なる「いい人」から、女性を尊重しすぎて変な方向に行ってしまった「童貞聖騎士(パラディン)」まで、いろいろなパターンがあるが、多くの童貞たちが多かれ少なかれ騎士道精神を有していることは想像に難くないであろう。
 
基本的に、童貞が童貞騎士としてふるまうこと、それ自体はそれほど大きな問題ではない。「理想化した女性を追い求めること」や「女性に不必要に優しく接すること(というかそれしか方法を知らない)」ことは、異性への経験値がない場合、よくあることだからだ。
多くの人たちは現実の異性に遭遇する中で「実は、俺が守るべき姫なんてものはこの世にはいない」という当たり前の事実に気づき、過剰だった女性への期待値を下方修正することで軟着陸することになるからだ。
 
では何が問題なのだろうか。ここで登場するのが「名誉女性」という戦略である。
  • 名誉女性という戦略

名誉女性とはなにか。それは「女性に対して理解があるように振る舞うことで女性からの評価を上げようとする」戦略の事を指す。

例えば、テレビのおネェタレントやリベラル派の論客、サブカルジゴロなどがその最たるものなのだが、

その昔、あなたの周りにもいなかっただろうか。

男で少女マンガ読んでるとか、女性誌読んでるとかわざわざ言ってる人間が*2

彼らが取っているのが、名誉女性戦略である。

こうして並べてみると、童貞騎士と名誉女性というのは非常に親和性が高い。

「女性に対して優しい」のと「女性に対して理解がある(かのように振る舞う)」ことは同時採用可能な戦略であり、かつ親和性が高い。

だが、ここで問題になるのが、当たり前だが、名誉女性戦略を採用したとしても評価される人間とされない人間がいる、という事実である。

この事実は、童貞騎士を女性すべてを憎む童貞暗黒騎士に転生させるのに十分なほど残酷だ。

つまり、フェミニズムや学校教育を信じていたのに裏切られたことなどではなく、

「極めて身近に上手くいってるやつがいるのに自分が上手くいかない」

「(DQNカップルのような人たちではない)知的な女性であってもホイホイ名誉女性と付き合ってる」

ことが童貞騎士を暗黒面に堕とすのではないだろうか。

学校教育を改めることなどできない。ましてや、全ての童貞騎士を「モテ」ることで救済することなど不可能である。

では、どのように彼らを軟着陸させるべきなのか。それこそが必要なのではないだろうか。

 

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*1:リンク先では赤木智弘氏について書かれているが、私は赤木さんは童貞騎士ではないと思っている。為念

*2:この「わざわざ」がポイントであることはいうまでもない

仕事のお知らせ

また仕事のおしらせです。

今日(明日)発売の週刊SPA!さんの特集「SEX格差が拡大中!セカンド童貞の悲劇」にコメントしました。
コメントとしては2か所ほどですが、結構いろいろしゃべってそのエッセンスが使われているかと思います。

というか、特集の内容ヤバいので興味のある方ぜひご覧ください。

 

SPA! 2015年 3/10 号 [雑誌]

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マイナビウーマンさんも継続して寄稿しております。


婚活アナリストが「一番身近な婚活成功者=妻」に聞く~奥さん、どうやって婚活したんですか?~ | 「マイナビウーマン」


こちらも合わせて何卒よろしくお願いいたします。

仕事のお知らせ

またしてもとにかく忙しく、告知もままならない感じですが、色々と記事を書いております。

マイナビウーマンさんで記事書きました。


回転寿司か闇鍋か!? 知っておきたい婚活パーティの基本形式とタイプ別攻略法 | 「マイナビウーマン」

婚活パーティについての記事を書きました。とうとうマイナビさんへも参戦ッ!!

 

週刊プレイボーイさんにコメントしました。

相変わらずけしからんグラビアが満載の週プレさん。

「今年こそ本気で結婚相手と出会う方法」という特集に少しコメントしました。

週刊プレイボ-イ 2015年 2/16 号 [雑誌]

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2つともども是非ご覧いただけると幸いです! 

 

小規模の組織にとって、「やる気はあるが責任はない」人は害悪

年末からはてな村界隈を騒がせていた、株式会社参謀本部の件。

なかなか面白い内容だった。

正直、当事者どうしの問題に関してはあまり興味はなく「労働審判でも起こすしかないだろ」(正直、労基署はあまりオススメしない)ぐらいの事しか思わないのだが、今回の一件で思い知らされたのは、

小規模の組織にとって、「やる気はあるが責任はない」人は害悪

ということである。 

「やる気はあるが責任はない人」とは

「やる気はあるが責任はない」というのはつまり、業務を遂行していくやる気があり、人や組織に対していろいろ意見をするが、その人自身は責任を取る立場にない人、ということになる。

今回の騒動で言えば、株式会社参謀本部の責任を取る人、といえばもちろん経営者=株主である。

だが、当該の人(個人攻撃が目的ではないので、直接名前を記すことは控える)は株主ではなく業務委託らしき雇用状況*1なのに、会社の行く末を案じて様々な発言・活動を行い、若干頼りなげな社長のために様々な助言を行っている。

これだけみると、「なんだ、いい人ジャン!」と思う人もいるだろう。

ところがこれこそが実は「やる気はあるが責任はない人」が小規模な組織にとって害悪であるという理由になる。

「やる気はあるが責任はない人」の問題点

例えば、社長と社員2人という組織について考えてみよう。 社員Aは意欲があり、会社をより良いものにしていきたいと思っている。社員Bは意欲はそこそこで自分の給料が毎月ちゃんと振り込まれるならいいと考えている。

会社がうまくいっているうちはいい。だが、うまくいかなくなった時にどうなるか。

社員Aは社員Bにこういうのではないだろうか。

「社長のやり方は間違っている。○○をやったほうがいいと思うんだよね」 と。

つまり、 「やる気はあるが責任はない人」は社長の対抗勢力として成立しやすいのだ。中川淳一郎氏がいう、

 「最近社長のやり方にはついていけないんですけど、ヤマダさん、どうですか?」みたいな話になり「そうそう、私もそう思ったのよ!」なんて言って派閥が生まれる。

起業したいと思っているお前ら、この意識の低い4ヶ条でそれなりの零細企業を作れよこの野郎 - 僕と花子のルンルン生活だヨ!より引用

 という状態である。しかも、この「社員A派閥」は株主=経営者とは違う目標を持って行動することになる。社員Aが社長と同程度の責任(つまり、会社に出資しているとか)であれば、「会社を大きくする(存続させる)こと」という大きな利害については同じことが多いが、社員Aが平社員である場合、「社員にとって良い会社であること」や「俺が有能であると証明されること」といった、全く利害が異なる行動原理によって動くため、利害の調整がより困難になる。で、小規模な組織である場合、こうした利害の調整をするほどの余裕がない可能性が高い。

また、「やる気はあるが責任はない人」は一般的にいう「頑張っている人」であることが多い。そのため、業務領域を多岐に広げがち*2で、他の社員との業務量のバランスが取れなくなることが多い。というか、まさにそうなるために「頑張っている」のだが、それと同時に待遇面での不満を持ちやすい。「自分はこんなに頑張っているのに…」というアレである。

自分で仕事を増やしておきながら「自分はこんなに頑張ってるのに報われない」と言い出すわけだから始末に負えない。

では、どうしたらいいのか

実は、「やる気はあるが責任はない人」はどんな組織にも一定数はいる。大きな組織でそれがあまり問題にならないのは、組織が強固なため、組織の序列を飛び越えた批判はできないのと、利害を調整する余裕があるためだ。

それができない小さな組織ではどうしたらいいのだろうか。一番簡単なのは、社員を2人にして、できれば2人の折半出資で会社を作ることである。

そして、重要事項は2人で決定し、実作業は外注(これは業務委託でもアルバイトでもいいけど)を交えて行うことだ。

それも難しい場合。「やる気はあるが責任はない人」にこう言ってみてはどうだろうか。

「じゃあ、●●君もウチの会社に出資して一緒に頑張ってみないかい?」

と。

ダンダリン 労働基準監督官 DVD-BOX

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*1:らしき、と書いたのは、ここはこの会社が不思議なところなのだが、この業務委託なのか社員なのか、ということ自体が論争の的になっているため。

*2:ただ、今回の会社についてかんがえてみると、こうした「業務領域」もっといえば「やること」自体が曖昧、というかない可能性が高く、そういう意味では従業員の皆様には大変同情する

本年もありがとうございました

今年もあと2日ですが、おかげさまで本年も記事を書かせていただきました。

ありがとうございます。

感謝をこめて改めてご紹介させていただきます。

 

NTTレゾナント様(教えて!goo):

昨年から引き続き。先日今年最後の記事が公開されました。


都合のいいW不倫。やめどきは? - 教えて!ウォッチャー - 教えて!goo

今年は約60本書かせていただきました。もうすぐ連載開始からまる2年です。

 

●エキサイト様(ローリエ、エキサイトレビュー):

こちらも昨年から引き続き。婚活ネタで記事を書かせていただいております。


青森で観光しながら婚活。だからあおもり、婚活ツアー! - LAURIER (ローリエ)(1/3)

こちらは今年34本書かせていただきました。後半ややトーンダウンしたので来年はさらにパワーアップしたいです。こちらももうすぐ2年です。

また、今年初めてエキサイトレビューさんでも記事をかきました。


【大人気アプリ「三国志パズル大戦」は「パズドラ」型「蒼天航路」ゲー】 - エキレビ!(1/3)

個人的にはかなり入魂の記事でした。

アイティメディア様(ビジネスメディア誠):

昨年から続いていた連載はとりあえず終了。かなり大変でしたが、憧れの媒体なので本当にすごい経験でした。感謝しかありません。


新連載・古田ラジオの「婚活を攻略するための10の方法」:婚活とは就活のこと? キレイな女性からメールがきた (1/4) - Business Media 誠

 

はてな様(週刊はてなブログ):

憧れの媒体といえばこちらも。シロクマ氏のインタビュー・企画・構成を担当。

こちらも得難い経験でした。


良い読者を念頭に書けば、ブログはアイデアを膨らませるワークショップになる―― シロクマ先生に聞く、単著の「ブログ大戦略」 - 週刊はてなブログ

 

●扶桑社様(HBO):

SPA!さんの新メディアハーバー・ビジネス・オンラインさんで記事書きました。転職ネタですが、今後はもっと探究していきたいネタです。


【転職に失敗しない求人広告の見方】チェックすべきポイントは? | ハーバービジネスオンライン

 

◆自分が登場した記事

次は自分が登場した記事。

集英社様(週刊プレイボーイ):

毎号毎号大変けしからんグラビアと面白記事が満載の週プレさん。今年は3回ほど取材を受けました。


5年以上性交渉ナシの“セカンド童貞”が増えている! - ライフスタイル - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

 ●SDP様(映画:『さまよう小指』):

 映画公開記念のトークショーに登壇させていただきました。

 

◆新規案件

さらに、12月スタートした案件を2つほどご紹介。

ヴォラーレ様(Appliv):

こちら新規案件。アプリの紹介記事です。


「帰るよ」から「今日締切です」まで。「メール&SNS定型文(テンプレート)」で効率化! | メール&SNS定型文(テンプレート)-遅刻・欠勤などの連絡をスムーズにコミュニティ -アプリヴ大事典

●グーパ様(entamenu):

こちらも新規案件。アニメ・声優の記事ですが、編集・ライティング担当として記事作成しました。


“主人公声優”逢坂良太が演じた印象的な9人の主人公まとめ | エンタメニュー

 

こうして振り返ってみると、年100本超え。前年に比べるとジャンルもいろいろ広がっているので、結構頑張っている感がありますね(笑)。

やはり、自分の場合は東京に再上京したのが大きなポイントだったのではないかと思います。来年もなにとぞよろしくお願いいたします。

 

「コストの差」でリベラルは保守に負ける

(いわゆる日本的な意味での)リベラルの危機みたいなことが言われて久しい。

サンデーモーニングは相変わらず風を読んでいるし、AERAとかも平常運転なんだが、ネットではリベラル(笑)みたいな受け取られ方をされることは多い。


だが、林下清志でさえ「子供たちには冷凍食品を食べさせたくない」と言う2010年代

。「食の安全」みたいな話から「エコ」「ロハス」みたいなところまで、「リベラル的なノリ」は世間一般に共有されている。それでもリベラルは危機なのだろうか。

確かに、食生活から服までリベラルは金がかかる。

生活の様々な場面に浸透している分、守るべき「戒律」が多くあるからだ。

エコやロハスを実践するには金がかかる。だからこそステータスシンボルになるわけでミセスオーガニックさんが誕生するわけだ。

 

その点、保守はコストが低い。

生活から縁遠く、観念的である分、守るべき「戒律」は多くない。

国を憂うのに金はかからないし、反韓・反中には金がかからないのだ。

 

「マックに行くな」というリベラルはたくさんいるが、

「マックではなく(国産企業の)モスかフレッシュネスバーガーへ行け」という保守にはあまりお目にかかったことがない。

 

 

香山リカは殊勝に反省している(ようにみえる)が、こんなこともいっており、たぶん本質的なことはあまりわかっていないように思える。

香山 でも中国や韓国に対する今の状況を見ていると、「若い人たちはソーシャルなものに関心があるから大丈夫」とは、全然思えない。それこそ今は、中韓を叩く本じゃなきゃ売れない、みたいになっているでしょ?
 たとえば社会的な活動とか護憲運動をやってる若者なのに、ちょっと話すと、「やっぱり韓国は許せない」なんて言う人がたまにいる。中国はまだしも韓国を叩くのは、「弱いくせに何言ってるんだ」という心理ですよね。それはソーシャルを志すことと矛盾しないんだろうか。「リベラルだったら、憲法護憲、死刑は反対」みたいなイメージを持っている、こちらが古いとは思うんだけど。 

香山リカ/湯浅誠 第2回リベラルはなぜ力を失ったのか<特別企画> - 幻冬舎plus

そんなこと以前にリベラルが一種の成金趣味になっていることのほうが問題なのだ。要するに「安部政権が国民の生活を破壊し、軍靴の足音が聞こえる」昨今、金持ち趣味をひけらかしてどうする、という話。

主張の正しさ云々の前にこのコストの差は決定的ではないだろうか。

リベラルのこの高コスト構造が解消されない限り、恐らく今後もリベラルは保守に負け続けるだろう。

 

 

あなたが「いいね!」と言ったから、SAO2はサブカルコンテンツ

読み終わった(著者本人から献本いただきました。ありがとうございます)。

融解するオタク・サブカル・ヤンキー  ファスト風土適応論

融解するオタク・サブカル・ヤンキー ファスト風土適応論

 

この本の感想を一言で言うと、「貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!」 

である。久々に本を読んで感情を揺さぶられる、人に(レビューではなく)感想を言いたくなる本だった。

 

いつの間にか、伊集院光のラジオを聞かなくなってしまった

いつの間にか、フジロックに行かなくなってしまった。

いつの間にか、TVでくだらないバラエティやベタなドラマばかり見るようになった

いつの間にか、アニソンを平気で聞くようになってしまった

 

「昔の俺」からすると裏切り以外の何物でもないこれらの行為。

だが熊代亨氏(めんどくさいから以後シロクマ氏)によれば、それが軟着陸なのだという。

シロクマ氏の著作のテーマは毎度一貫している。

その主張を一言でまとめると、

「加齢による心理的なリスクを軽視することに対する警鐘と、伝統的・保守的な仕組みの再評価」

である。それを(それこそ、Civilizationを現実の人間社会におきかえてプレイしているかのような)いささかシステマティックにすぎる人間観のもとで語るーーこれがシロクマ氏の著作の特徴であった。

 

この本は要するに『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』におけるカーミィと途中で田舎に帰っちゃった男2人(とラーメン屋の男)の話である。

つまり、あの話が好きな人であれば誰もが痛いところがある著作である。

その意味で、この本はこれまでのシロクマ氏の本の中でも飛びぬけて「はてな村的」であり、「村人たちにササる」内容である。 

そして、現実を論じているだけあって、格段に「イタい」。

 

本の前半では「オタク/サブカル/ヤンキー」という文化トライブを対象にしぼり、

そうした文化トライブがいかにして薄まり、"尖った連中”について語りつつ、

消費がアイデンティティの中心であるオタク・サブカルに対して、共同体主義的なヤンキー=国道文化の再評価を計っている。

後半では、彼らの加齢による心理的リスクとアイデンティティ論が語られる一方で、ロードサイド・地元に適応したリア充について語られる。

ここでは、コンテンツ消費に頼りすぎた人間の末路と加齢によるリスクについて語られる。さらに、シロクマ氏はコンテンツ消費に頼りすぎる事を「誰もあなたにとどめを刺してくれない」とまで言いきり容赦がない。

一方で、リア充に対しては比較的肯定的な評価が下されている。

要するに、時と場合に応じて、消費するコンテンツを取り変えながら、仲間とコミュニケーションし、友情を育んでいく……。さながら「ペルソナ3」ないし「ペルソナ4」の主人公のような一種の超人について語られている。

ここの記述で怖いのは、そうしたコミュニケーション強者によって作られた社会はあらかじめコミュニケーション弱者を排除しており、彼らは我慢するか、引きこもるしかなくなるのだという。

そう。コミュニケーション弱者の話だ。

俺たちがコミュニケーション弱者だった時、救ってくれたのは誰かにとってはゲームであり、誰かにとっては(当時そうはよばれてなかったけど)ライトノベルやアニメであり、誰かにとっては深夜ラジオだった。

だが、それを救ってくれたコンテンツたちはもはやショッピングモールで誰もが手に入れられるものになってしまった。

上京も、サブカルも、オタクも、彼らを救ってはくれない。

それはとても恐ろしい事だ。

 

コンテンツ消費に頼りすぎることにより、心理的なリスクを負うこと。

これは確かに問題ではある。

だが、シロクマ氏も薄々気が付いていることだろう。

この問題が90~00年代に青春を過ごした人間にしか当てはまらないこと。

そして、彼らがその問題を今のところ大して自覚していないことを。

カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌っちゃう女はそれほど多くはない。

残念だが、これらの理由により、恐らくこの問題は「本人の問題」「この世代特有の問題」とされ、切り捨てられるだろう。

だが、切り捨てられる側の人間が思うのは、

俺たちはいささか過剰だったのかもしれないが、他の人たちだって多かれ少なかれそうなのだ。

「分相応に歳を取り、一つのことに自分のリソースを傾けすぎないようにする(この辺の結論がいかにもゲーム的だ)」

導きだされた結論はいかにも平凡で、地味だ。

だが、それでも、その結論を誰かに言って、聞いてみたい。「お前はどう思う?」って。ワタミか金の蔵で発泡酒でも飲みながら。

もう一度言っておこう。id:p_shirokumaよ、「貴公の首は柱に吊るされるのがお似合いだ!