ヒヒヒの非太郎〜西洋妖怪、カリスマブロガー〜
〜この番組は「楽しい時を創る企業」バンダイの提供でお送りします〜
(オープニング。くどくなってきたので省略)
今日も今日とて非モテハウス。最近の非太郎はブログの更新に再びハマっている。「イタリア人にCクラスはいない」と名づけられたそのブログは、前回のブログ*1での失敗を踏まえて、楽しく非モテを語ろうというコンセプトでそれなりに、あくまでそれなりに人気のブログだった。
そんな彼に「はぁちゅう様」を名乗るブロガーからオフ会の誘いがやって来た。はぁちゅう様が運営している「もう北斗柔破斬食らっちゃってるけど悪あが記(略して悪あが記)」はブログをやっている人なら誰でも知っているようなカリスマブログらしい。
六本木ヒルズ内に設けられた会場に到着すると、早速、頭の非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)が反応している。
遠目で見えるはぁちゅう様は全ての攻撃を跳ね返す肥満体・・・ではなく、いかにもセレブ!といった風情で、周りには目を輝かせて取り巻き達が悪あが記のあのエントリがどうとかこうとか、話している。
「非太郎!あれはアクセス数アップと宣伝、自分のステップアップと金儲けのためには手段を選ばない非情のブロガー、西洋妖怪・カリスマブロガーと、カリスマブロガーの手下で、自分のブログのアクセス数向上のためには手段を選ばない妖怪、西洋妖怪アクセス乞食じゃ!」
「なんだって、父さん!それじゃそんな人たちの集まりに招待されて*2僕はどうしたらいいんですか!」
強敵・カリスマブロガーとアクセス乞食の登場にどうなる、というか、非太郎こそアクセス乞食なんじゃないか?
どうなる、非太郎!
(CM。)
オフ会が始まってからすでに1時間が経過、非太郎は頭がクラクラしている。さっきからこの方ずっとカリスマたちはブログランキングがどうかとか、アフィリエイトでいくら儲かったとか早稲田の何とかサークルがとかそんな話ばかりしている。早稲田や慶応じゃないとカリスマブロガーにはなれないのだろうか?
大体、彼等は顔出しブロガーらしい。だれそれがかっこいいとか、そんな会話、非太郎にできるはずがない。なんてったって非太郎のトップページの画像は河津秋敏なのだから。そんな事をしないとブログができないなんて、はてなは教えてくれなかったのに・・・。
非太郎は一言も言葉を発していない。ひたすらにこの店の酷く不味い食事を掻きこんでいる。これじゃ、松屋の牛めしセットの方がどれだけマシか。
「非太郎!あと20分で終わる。お前はよく頑張った。終わったらすぐ帰ろう、帰ろう。な!」
「わかったよ、父さん」
非太郎がくじけそうな心を脳内の会話で奮い立たせていたその時、ふと店の奥を見るとなにやら怪しそうなスーツ姿の男性が2人奥で会話していた。そして非太郎はその2人にかつてない非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)の反応を感じていた。彼等の口の動きからは「汐留本社」とか「タイアップ」とか「スポンサー」とか、そういう単語がでているような気がした。非太郎があれは誰だろう?と思っていると、どこからともなく、耳元で
「あれが、西洋妖怪たちの親玉、電波妖怪・コウコクダイリテンだ。」
と囁く声が聞こえた。
「あなたは・・・?」と非太郎が言おうと振り返った時、その人物はもう、後姿しか見えなかった。彼のモヒカン頭しか・・・。
電車に揺られていると、脳内の目玉の親父が言う。
「非太郎、同じナウでヤングな「ブログ」というツールを使っているのに、彼等とわしらではなぜこうも差があるのかのう。」
「ええ、父さん。それは彼等がもうすでに勝ち組であり、さらに勝ち続けるためにブログをやっているのに対して、私達は現実の世界では敗北者であり、だからこそブログでルサンチマンを吐露せざるを得なかったという違いなのでしょう。」
「そのとおりじゃ、非太郎。彼等は書くブログが面白いからカリスマなのではなく、彼等が置かれた環境が面白かったり、彼等がカリスマになった方がいいと考える人たちによってカリスマにされていくのじゃろうな。」
「はい、父さん。しかし、彼等は別にブログなんてものを使う必要はないのだから、ほっといてほしいんじゃがな。唯一のユートピアだと思われていたブログ界もすでにユートピアではなくなっているという事なのでしょうか?」
「うむ。ブログが儲かりそうだとなった時に、彼等のような人間が現われる事は明らかで、彼等の能天気な浮かれ度合いに対して、鈍器で殴りたくなる事はあるが、しょうがないのじゃな。もう同じブログでも全く別のものだと思って行動していくしかないのじゃろうな。」
「ええ、しかし、私はブログを続けていればいつか私もカリスマになって、凄いブロガーの人たちと知り合って、書籍化されて、ちやほやされるものだと思ったんですがね。カリスマブロガーになるには現実世界での地位がモノをいうなんてはてなは教えてくれませんでしたよ。」
「非太郎、それはお前が甘いという事じゃ。何年もぐだぐだとブログを続けているのにそんなこともわからんのか。はてなでうじうじ非モテ論争をしている暇があったら、カリスマブロガーに粘着メールでもした方がずっとカリスマブロガーになるには近道じゃぞ。」
「ええ、父さん。どうすれば良いのですかね。ところで父さん、今日はツタヤが半額レンタルらしいですよ。」
「そうか、非太郎。だから渋谷に向かっているのじゃな。わしも今日は久しぶりに滝沢優奈が借りたいわい。」
「ええ、父さん。あのエロエロぶりは非モテにとってはたまらないですね。いいハードコア中田氏もののDVDが準新作になっているようですから、急いでいきましょう。」
(次回予告・総集編)
※この番組はフィクションです。実在する団体、名称等とは一切関係ありません。