古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

ヒヒヒの非太郎〜これが派遣の品格〜


〜この番組は「楽しい時を創る企業」バンダイの提供でお送りします〜



(オープニング)

「ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

平日、寝床でぐーぐーぐー楽しいな、楽しいな

非モテにゃ学校も 試験も何にもない

ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

みんなで歌おうヒヒヒのヒ

ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

昼はネットで 内弁慶(うちべんけい)楽しいな 楽しいな

非モテにゃ 会社も

仕事(しごと)もなんにも ない

ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

みんなで歌おう ヒヒヒのヒ〜

ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

夜はAV 鑑賞会(かんしょうかい)楽しいな 楽しいな

非モテは 入れない

エイズもなんにも ない

ヒ、ヒ、ヒヒヒのヒ〜

みんなで歌おう ヒヒヒのヒ〜

みんなで歌おう ヒヒヒのヒ〜

みんなで歌おう ヒヒヒのヒ〜」

(歌・吉幾三

今日も今日とて株式会社ホワイトカラーエグゼンプション。非太郎の職場である。非太郎はここでシコシコと仕事をしているのである。
今日も早朝から頭の非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)が反応している。近くに妖怪がいるらしい。というかわかりきっている。妖怪、600万ばばぁである。

  • 9:00

…が、やってこない。600万ばばぁは一向にやってこない。非太郎は知っていた。600万ばばぁが前日非太郎と同じグループの「素晴らしい人たち」と飲み会にいってる事を。非太郎はいろいろ考えようとしてやめた。きっと600万ばばぁは体調が悪いのだろうから。みんながそういうことにしておくのだろうから。
非太郎の非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)が反応していた元凶は同じ実は非太郎の同期の超自由妖怪・黒ブタ*1だったのだが、非太郎はその事をしるよしもない。

  • 12:00

非太郎は昼休み中、「はてな」をやっている。非太郎のたった一つの楽しみだ。
「相変わらず林田先生は面白いなぁ」
「おぉ、今日は加野瀬未友対rir6か。通好みのカードだなぁ」
なんて事を考えながら非太郎はディスプレイを見つめている。
そうこうしている間に非太郎の非モテアンテナ(よく寝グセに間違えられる)が反応している。今度こそあの妖怪だ。
どうなる、非太郎!

(CM)

  • 13:00

外出しようとしていた非太郎の視界に全身ブランド物を身につけ、ぱっつんぱっつんのミニスカートを履いた女性が現れた。非太郎の脳味噌の中にだけ住んでいる目玉の親父が言う「非太郎!あれは年収600万以上の男性としか付き合わない妖怪、妖怪600万ばばあじゃ!」
「なんだって、父さん!それじゃ僕の年収じゃ視界に入る事すら許されないじゃないか!」
非太郎は一体何度このやり取りをしているのだろうか。
脳内でそんなやり取りをしていると、600万ばばあが非太郎から少し離れた席に。どうやら仕事を始めるつもりらしい。

  • 15:00

600万ばばぁの「業務」、それは1:クノールのカップスープを飲むこと(長澤まさみにでもなりたいのだろうか)、2:社内の友達と大声でわめき散らす事
600万ばばぁの業務遂行によりこちらにまで大きな声が響いてくる。
「営業とは」
「恋愛とは」
「デキる人間とは」
ひたすら大きな声でわめき散らされる600万ばばぁの猛攻。非太郎はただひたすら耐えるしかなかった。
ほとんどひとところに留まらず、あちこちで騒ぎまくっている。そして喫煙室でも…600万ばばぁが今の今までこの会社に残っているのはひとえに喫煙室での社内政治力によるものである。
しかし、600万ばばぁが営業活動をしたことは未だかつて、ない。
一方、社内政治力0の非モテ・非太郎。非太郎は顧客の担当者と「好きなロマサガのキャラクター」についてのトークに花が咲いたこと*2により、それなりに忙しい。前年比1000%、数百%の売り上げを上げていた。それもこれも全て河津神のおかげなのだな、と非太郎は目玉の親父と信仰心を新たにしていた。
そんな非太郎にも600万ばばぁの魔の手が目前まで近づいていた…。

  • 17:00

「非太郎君も営業ってのはお客さんと呑みに行くぐらいじゃないと…」
「営業のくせに酒飲めない奴なんて意味ないよね〜」
「今日いくら決めてくるんだ!!(恫喝風に)」

非太郎はひたすら仕事をしているふりをしてネットに打ち込んだ。600万ばばぁに一体どんな権限があるのだろうか。非太郎にはわからなかった。すっと600万ばばぁのPCのディスプレイを見ると600万ばばぁはmixiをやっている。やっぱり世の中の「デキる人間」の必須ツールである。
時計が17:30分を指したとたん、
「あ〜今日も働いたな〜今日は飲み会なんだ〜」
とかいう捨て台詞を残し600万ばばあは去っていった。

  • 22:00

非太郎も家で食事をしながらテレビを見ている。
脳内の目玉の親父が言う。

「非太郎、ハケンの品格じゃな」


「ええ、父さん。ドラマとしては大変面白いですね。しかし…」


「非太郎お前の危惧もわかるぞ。600万ばばぁが「気持ちよくなって」いるんじゃないかという危惧じゃな」


「ええ、父さん。どう考えても600万ばばぁは篠原涼子ではないんですし有能でもないんですけどね…」


「しかし、600万ばばぁみたいな人間を「気持ちよくする」ためにドラマが作られたという側面もあるのですから仕方がないのじゃろう」


「ええ、父さん。この世界の人たちみんなが「気持ちよくなる」ためになにかを探しているのでしょうね。」


「うむ。「素晴らしい人々」が「気持ちよくなる」ものを拒否するからこそ、非モテは負け組みであり、杯先されるのでしょうね。」


「ええ、父さん。どうすれば良いのですかね。ところで父さん、明日はツタヤが半額レンタルらしいですよ。」


「そうか、非太郎。だから明日は直行で渋谷なんじゃな。わしも今日は久しぶりに制服モノが借りたいわい。」


「ええ、父さん。アイディアポケットが準新作になっているようですから、明日は急いでいきましょう。」


翌日遅刻して出社した600万ばばぁがハケンの品格について熱弁を振るった事はいうまでもない。

(次回予告「超自由妖怪・黒ブタ」)

※この番組はフィクションです。実在する団体、名称等とは一切関係ありません。

*1:彼についてもまたそのうち語られるときが来るであろう

*2:非太郎はジャミル、担当者はトーマス。担当者いわく、「トレードシステムが好き」との事