恋愛しようとするほど結婚から遠ざかる
「ビジネスメディア誠」さんの連載が更新されましたのでおなじみのサブノートを。今回は「婚活体験者に聞く、婚活をやめたワケ」と題して婚活とその失敗事例について話を伺いました。
この原稿で最も言いたかった点、
それは「恋愛と婚活はそもそも矛盾していて両立は不可能だ」という事です。
その理由については、インタビュー内でも語られていますが、大きな要因として、婚活において、恋愛感情を持てるかどうか判断するまでの時間が短すぎるという事が挙げられます。
普通、人は恋愛感情が湧いてから異性に告白します。
つまり、
恋愛感情→告白→付き合う→デート
ですが、婚活の場合、多くが
デート(面接)→告白→付き合う→恋愛感情
となり、「お見合い」に極めて近いシステムをとっています。
お見合いのシステムは、
顔合わせ→付き合う→恋愛感情
お見合いの場合でいう「顔合わせ」とは婚活における「面接」とほぼ同じですから、違いは「告白」という儀式の有無ぐらいです*1。
ここで、「恋愛感情」と呼んでいるのは心理的なときめきの事で、これはポイント制です。
簡単に言うと、しぐさがカッコイイと10ポイント、メシ代おごってくれたら50ポイント、顔が好みだと100ポイントといった具合で「ポイント」が一定数量貯まると人は異性に恋愛感情を抱く。
問題は2回や3回会ったぐらいではこの「ポイント」が貯まりきらないという事です。婚活においては「面接は3回まで」という格言があり、「ポイント」が貯まりきる前に結論を出す必要があります*2。お見合いで「両家の顔合わせ」を何十回もするような人はまずいません。そんなことをやっている間に相手に断られるのと同様、婚活においても本来であれば最初に来るはずの恋愛感情が最後に来ることになります。
これは「婚活における出会いは偽物である」と言いたいわけではありませんが、婚活と恋愛は全く似て非なるもの。婚活において最もやってはいけないことが「待つ」事です。普通の恋愛とは違い、婚活では「ポイント」が貯まるまでの時間的な猶予はありません。よって、女性が「告白されるまで待とう」とすると、結局告白されないまま自然消滅します。同様に、男性でも「自分の中で「ポイント」が貯まるまでデートしよう(待とう)」というのも絶対NGです。
デートや恋愛は付き合うようになってからすればよく、結論(付き合える/付き合えない)が出た時点で即断即決。それは婚活を成功させるほぼ唯一といっていい絶対の攻略法です。
実は、多くの人が婚活に失敗する理由はここにあります。つまり、実質的にはお見合いなのに、「恋愛」しようとして、来もしない告白を待っていたり、やってくるはずもない「タイミング」を図ったり。
そうしたことは婚活において全て「無駄」なのです。
ここまで読まれた皆さんのおっしゃりたい事はよくわかります。
確かにこうした形式は「自然な恋愛」ではありません。ですが、一度考えていただきたいのが、「自然な恋愛」はその後の2人の関係(結婚とか)に対して本当に大きな影響をあたえるのでしょうか。その昔、日本のカップルの30%近くがお見合いで結婚をしていましたが、その人たちはみな結婚生活が破たんしていなければならないのではないのでしょうか。
我々が考える「自然な恋愛」「自然な出会い」は実は極めて曖昧な存在です。そんな怪しい存在を追い求めて「結婚」から遠く離れていく事が、本当にその人にとって幸せなのか、私にはわかりません。