「婚活」が終わる日
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「婚活」をするための条件
突然だが、婚活を積極的に行うため*1には2つの条件がある。
1:自分の周りで適当な付き合えそうな(結婚できそうな)人がいない
2:少なくともいつかは結婚したいと考えている
あまりにも当然といえば当然だが、この2つの条件を満たした人がある程度いることが、婚活という市場が成立しつづけるために必要な理由となる。
で、1について考えてみると、これは要するに「ある程度年齢が経って周りの人たちがみんな結婚してしまった」「異性が極端に少ない環境に長くいた」「そもそも友人・知人が少ない」といったあたりが原因となる。
ある程度社会経験を積むことで人は「どうやら自分は周りに適当な人がいない」状態にあるということを認識するわけだが、ここで問題となるのが、婚活という活動は早く始めれば始めるほど有利、ということだ。「20代から50代の男性が全員20代女性に向かう問題」とかここではいろいろ問題があるが、それはとりあえずおいておく。
ここで問題となるのが「『婚活を始めなければならない』ことに気が付いた時には自分の市場価値が落ち始めている」ということだ。
これは婚活という活動が持つ根本的な矛盾で、婚活における高望み問題も、普通問題も、シンデレラ問題も根本はこの問題に端を発している。
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婚活の攻略法
だが、ここまで読んだ人はこう思うのではないだろうか。
「だったら、早く婚活始めればいいじゃん」と。
大学から付き合ってる彼氏と結婚する。
入社後早い段階で会社の同期(先輩)と結婚する。
これらにはもちろん、離婚のリスクや自身のキャリア形成におけるリスクもあるが、短期的な「結婚」という視点で見れば勝ち組である。
また、もう一方で根本解決として、そもそも結婚しないという選択肢もある。
(今のところ)我々は結婚を強要される環境にはないので、これはこれで選択肢としては「アリ」だろう。
結婚することが普通とみなされる社会においてこの選択をすることはなかなかにハードルが高いものだが、婚活ブームによって「努力しないと結婚できない」という考えが定着した分、そこから「降りる」という選択肢も簡単になった。
どちらにせよ、「婚活の最強の攻略法は婚活しないことだ」
ということに多くの人たちが気が付き始めている。それが今の状況だろう。
現に、国立社会保障・人口問題研究所の「結婚と出産に関する全国調査(2010年)」によれば、結婚について「ある程度の年齢までに結婚しよう」という人が過半数を回復し、「結婚に対する先延ばし意識が薄ら」いでいるという*2。
だが、これらの根本的な解決法を実践できるのはこれから婚活を始める人たちである。
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さよならロストジェネレーション
問題は、今婚活している人たちだ。
彼らは、人的リソースがなく、自分の市場価値が下落していく中で「結婚するのが普通だ」という価値観を刷り込まれているため「婚活」をやめることができない。
そして、彼らはいわゆる「ロストジェネレーション世代」である。
「婚活」という言葉が生まれた初期に『AERA』などで想定されていたのはキャリア女性による「仕事・子供・恋愛」の「キャリア総取り」の一環であった。だが、実際に婚活市場を支えたのは彼らロストジェネレーション世代であった。
ロスジェネ世代の先頭がすでに40代にさしかかりつつある現在、彼らが婚活市場に占める割合は今後どんどん減っていくだろう。
そして、今若い人たちが婚活を必要としなくなる。そうなることで婚活はどう変化していくのだろうか。「見知らぬ人と出会うツール」として姿を変えて生き残るのか、婚活市場自体が縮小していくのか。
「若者の婚活離れ」がマスコミに登場する時、それはロストジェネレーション問題が「なかったもの」として「最終解決」された時なのかもしれない。
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